内容説明
「均質化」の時代が終わり、より過酷な「荒廃化」の時代が始まった今日、私たちはいかにして自らの生活世界を取り戻すことができるのか?気鋭の若手理論家が新時代の思想の創造に挑む。
目次
序章 生活世界の荒廃
第1章 空間と領土性
第2章 空間の質感
第3章 再領土化の諸問題
第4章 流動と停止
第5章 壁
第6章 虚構と想像
第7章 来るべきスラム化に備えて
第8章 空間的想像力の奪還
終章 黄金時代に秘められた地獄
著者等紹介
篠原雅武[シノハラマサタケ]
1975年生。都市論・政治理論。1999年京都大学総合人間学部卒業。2004年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位認定退学。京都大学博士(人間・環境学)。現在、大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mealla0v0
3
かつて資本主義によって空間は均質化されたという議論が優勢であった。だが、篠原によれば、その段階は疾うに過ぎた。いまや、一部の空間は均質化する資本主義の運動からも見捨てられいる。そうして放擲された生活世界は荒廃化していく。今日の空間の種別性はそこにあるのだ。ルフェーブルに依拠しつつ、D-Gの領土化/脱領土化を検討しながら、今日起こっているデイヴィス的「スラム化」の問題を捉えている。それはシャッター通りであり、寂れた空間である。――とても独創的でアクチュアリティが高く、今日読むべき一冊に挙げるべき本だろう。2017/12/25
まつゆう
1
資本主義において均質化された空間、今その一部が荒廃しつつある(シャッター街、過疎…)。これと歩を同じくして世界的レベルではゲーテッドシティの構築とその周辺にスラムシティ爆発的に増殖し、放擲される外と放擲する内という境界ができている。この空間の荒廃、内/外の質的違いについて思想的に考察した本。今の公共圏の議論でこの質の違いを弁えず、一方的に内側から外側を包摂することを如何にするかと述べる議論のなんと多い事。問題を「融和しえない二つの世界」と分析したうえで論ずる姿勢を確保しているこの本はその点で良心的。2014/08/30
塩屋貴之
1
空間の荒廃。何かが起きそうだという予感の芽を摘むリスク社会。まずは均質化について丁寧にみる必要があるので「団地」を考えることになった2014/02/23
kukikeikou
1
均質化が空間を放擲してきた過程から、投機と荒廃へ。綻びを縫合する際に反計画でなくネオリベ的自由に対置されるべき自由を。囲い込まれた虚構と幻想と想像力の奪還。2014/02/05
いたる
0
最後の一文に希望を見出すほかない。「荒廃をただ悪しきことだといって目をそらすのではなく、そこに含み込まれた混沌に、再生と復活の萌芽となる原基形態を見いだし、そこで今後の生活世界のありかたを展望しようとしなくてはならない」 2021/07/29




