内容説明
生まれてはじめて雪を見た子どものきつねは、そのまぶしさに、そして、あまりのつめたさにびっくりぎょうてん。かあさんぎつねは、そんなぼうやに手ぶくろを買ってあげたいと思うのですが…。
著者等紹介
新美南吉[ニイミナンキチ]
1913年、愛知県に生まれる。東京外国語学校英語部文科卒業。中学時代より童話を書きはじめ、1943年、30歳の若さで亡くなるまで童話・詩・小説などを書きつづける。主な作品に『ごんぎつね』『手ぶくろを買いに』『おじいさんのランプ』などがある
どいかや[ドイカヤ]
1969年、東京都に生まれる。東京造形大学デザイン学科卒業。絵本のワークショップ「あとさき塾」出身。最新作『ひまなこなべ』(文 萱野茂/あすなろ書房)で、第64回産経児童出版文化賞“産経新聞社賞”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶち
107
新美南吉の名作。いろいろな画家さんの絵で出版されていますが、私はといかやさんの絵を選びました。てぶくろを買いに、子ぎつねを人間の町へ行かせる母さんぎつねは、"にんげんはおそろしいものなのよ" と、いいきかせます。"おそろしい" はずの人間からうけた優しさ、人間の親子のあたたかい光景に子ぎつねは感銘を受けます。どっちが本当の人間なのでしょう?暖かみのある可愛らしい絵が、この物語をより優しいものにしてくれています。だからこそ、人間の怖さも際立ってくるように感じます。2019/02/18
はる
70
どいかやさんの絵ということで。独特の丁寧な色使い。凝った構図。どいかやさんの雪の描き方が特に好きだなあ。母親の子を想う気持ちと、子の母親を愛する気持ちが温かい。「ほんとうに人間はいいものかしら。ほんとうに人間はいいものかしら」2018/04/13
のえる
48
図書館絵本。有名な物語にどいかやさんの暖かいイラストが描かれた本作。 内容も結末も知っているけど、大人になって改めて読んでみると実感するこの暖かさ。懐かしい。ほのぼのとしたきつねの親子、子ぎつねの失敗にもとげとげせずに対応してくれる優しい帽子屋さん 🎩。そして雪景色がこれ程暖かく幻想的に描けるなんて。 子どもにとっても、子ぎつねにとっても、安心感に満たされたお母さんの温もりと優しい声は大切。👶🦊💓2021/04/19
鴨ミール
39
私が子どもだった頃は、タヌキやキツネが人を騙す話をなんとなく信じていたが、いまの子どもたちはどうなんでしょうね。この話は好きで絵本を持っていますが、どいかやさんの絵のものが欲しくて、とうとう新品を買うことにしました。黒井健さんや他の方の絵でこのお話を読んだ方にもぜひおすすめしたい一冊です。最後の一文をよむと、これは大人向けのお話かもなといつも思います。2022/11/03
gtn
38
子狐以上に、母狐にとって冒険だったが、誰もが一度は通る道。子を囲い込んだり、自分の意のままに指図するような愚は犯すまい。子が一人で得る経験は、親が想像する以上に大きい。2021/05/15