目次
序章
第1章 「国家」としてのアフガニスタンの形成―内発性と外部からの要求
第2章 国家建設に向けての合意と計画―その役割と限界
第3章 国家建設支援と援助の「非」効率性―2001年以降のアフガニスタン支援を例に
第4章 「国際社会」におけるアフガニスタンと「アフガニスタン問題」―「ミドルパワー」の対アフガニスタン支援を通して
終章 アフガニスタンへの悲観と希望―歴史の教訓から
著者等紹介
嶋田晴行[シマダハルユキ]
1967年札幌市生まれ。一橋大学社会学部卒業、同大学院社会学研究科を修了後、JICAでアジア地域の社会基盤整備、経済政策策定支援、またインドネシア、ベトナム、ミャンマー等の国を担当。その間、世界銀行World Bank Instituteへ出向(1998~2000年)。2006年から2008年までJICAアフガニスタン事務所所員としてカブールで勤務し、その後、JICA研究所、神戸大学大学院国際協力研究科特命准教授(出向)を経て、2011年からJICA南アジア部でアフガニスタンを担当、同志社大学アフガニスタン平和・開発研究センター上級客員研究員。博士(同志社大学グローバル社会研究)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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電球
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長年JICA職員としてアフガニスタンに関わってきた筆者が2001年以降アフガニスタンで実施されている国家再建についてを論じている。「現代アフガニスタン史」とあるが、実質的には平和構築に関する本であり、「アフガニスタンの現代史」を学ぼうと思い手に取ると違和感を覚えるかもしれない。 本書ではアフガンでの平和構築過程とその問題点、大国のみならずミドルパワー国の果たす意義について論じられており、平和構築とミドルパワー外交を知りたいならば読んでみるといいだろう。ただ、何となく物足りなさを感じてしまう一冊ではある。2014/12/08
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現代の中でも、著者はJICA職員であるためか、アメリカのアフガン侵攻以降の扱い(特にアフガン再建が上手くいかない理由)が長い。そもそもが他国が要請した国家建設であり、他国それぞれの内情もあり妥協案となってしまう。時間が必要だった。等の実務的理由が挙げられている。読んでいて気になったこととして、「Aという難点がある。他方でそれは一面的な物の見方でもあるといえる」といった文が多く、評価レポートとしては良いかもしれないが、お役所文章的な気風も感じる。題名の「可能性」に当たる部分は…あまりない。2022/10/23