内容説明
現代中国の政治体制は、前近代から続く歴史の流れのなかで、辛亥革命や国共内戦を経て次第に形成されてきたものである。本書では、前近代中国の皇帝支配体制の実態を明らかにするために、政治制度の構造を重点的に検討した。
目次
序章 漢王朝の皇帝支配体制と後漢時代
第1章 後漢における宦官の制度的基盤と尚書台
第2章 後漢における外戚の制度的基盤と尚書台―梁冀政権を事例として
第3章 「三公形骸化説」の再検討―『昌言』法誡篇の解釈をめぐって
第4章 後漢における公府・将軍府と府主
第5章 政策形成と文書伝達―後漢尚書台の機能をめぐって
第6章 後漢洛陽城における皇帝・諸官の政治空間
第7章 政治空間よりみた後漢の外戚輔政―後漢皇帝支配体制の限界をめぐって
終章 漢王朝の皇帝支配体制の特色とその展開
補論 後漢における「内朝官」の解体と九卿の再編―少府・光禄勲を中心として
著者等紹介
渡邉将智[ワタナベマサトモ]
1978年千葉県生まれ。現職、早稲田大学長江流域文化研究所招聘研究員、大東文化大学文学部非常勤講師。専門は漢代政治制度史(官制史)、後漢政治史。2001年二松学舎大学文学部中国文学科卒業。2010年早稲田大学大学院文学研究科史学(東洋史)専攻博士後期課程修了、博士(文学)取得。2007~2008年大東文化大学人文科学研究所兼任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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