内容説明
二〇一一年春 大震災直後の商業・運送業・公的機関等の痛切な経験から学び、過酷災害に対応できる物流の条件と天然ガス自動車普及の重要性と問題点を探る。
目次
プロローグ エネルギーセキュリティの視点
第1章 被災者の命をつないだ物流―佐川急便のケース
第2章 震災現場で使命を果たす公的機関―仙台市中央卸売市場と日立市役所のケース
第3章 震災を経て進む店舗の防災対応―大阪ガスとイオンのケース
第4章 震災後に考える燃料問題―天然ガス自動車への注目
第5章 天然ガス自動車とは―天然ガスと天然ガス自動車に関する基礎知識
第6章 もう1つの天然ガス自動車―バイフューエル車の有用性
エピローグ 災害に強い社会システムを
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yasomi Mori
2
日本の運輸部門では、ガソリンをはじめとする石油系エネルギーが97.9%。一極集中的な依存状況、合理化の進んだ供給体制は、想定外の災害時には裏目に出てしまう。エネルギー問題の焦点は時代によって、「経済性の追求→経済性に加えて、資源の残量と環境性の重視→エネルギーセキュリティの向上」、といった形で変化してきた。本書ではその点を踏まえた上で、天然ガス自動車の普及の必要性が主張されている。大震災クラスにも耐えた実績をもつ地中のパイプラインや、佐川急便が世界最多の天然ガストラックを保有している話は面白い。2014/05/11