内容説明
東日本大震災の巨大な災厄に直面して、研究者たちは古今東西の文学の中に何を見出したか。早稲田大学文学部の大教室で、学生たちに語りかけ、共に考えた連続講義より。
目次
1 ハーマン・メルヴィル『白鯨』―震災後のまなざしで読み直す
2 安部公房『第四間氷期』―大きな断絶をいかに受容するか
3 羅貫中『三国志演義』―「災異」から読む乱世の相
4 馮小剛監督『唐山大地震』―隠された真実に眼を向ける
5 ウィリアム・シェイクスピア『リア王』―人間の絶望と苦悩を見つめる
6 小プリニウス トゥキュディデス『書簡集』『歴史』―時空を超える災害の記憶
7 ニタルドゥス『敬虔王ルイの王子たちの歴史』―九世紀ガリア大地震へのまなざし
8 ヴォルテール『リスボンの災害についての詩』―情報から文学へ
9 ヴィクトール・エミール・フランクル『それでも人生にイエスと言う』―ニヒリズムに抗して
10 スベトラーナ・アレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り』―プーシキン『青銅の騎士』よりつらなる「小さな人間」への想い
11 ボリス・パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』―「永遠の記憶」への意志
著者等紹介
堀内正規[ホリウチマサキ]
早稲田大学文学学術院教授。専攻は英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Rockwell
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3.11の震災を受けて、2012年4月から7月にかけて早稲田大学行われた講義を元に作成されたブックレット。 Hメルヴィル『白鯨』、安部公房『第四間氷期』、羅貫中『三国志演義』、馮小剛『唐山大地震』、Wシェイクスピア『リア王』、小プリニウス『書簡集』・トゥキュディデス『歴史』、ニタルドゥス『敬虔王ルイの王子たちの歴史』、ヴォルテール『リスボンの災害についての詩』、VEフランクル『それでも人生にイエスと言う』、Sアレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り』、Bパステルナーク『ドクトル・ジバゴ』が紹介されている。2013/06/19