内容説明
東日本大震災で大きな被害を受けた地域の歴史・文化資料。それらをいかにレスキューし保全するのか。現場の博物館職員たちが多数の図版を交え現状をレポート。資料の保護に備えるネットワーク構築を呼びかける。
目次
報告1 岩手県立博物館における文化財レスキューの現状と課題―陸前高田市救出資料を中心に
報告2 陸前高田市の被害状況―博物館施設を中心に
報告3 東日本大震災による文化財被害と救援活動
報告4 歴史資料の保全に向けて
報告5 文化財レスキューで大学博物館にできること
報告6 東日本大震災と歴史資料保護活動―福島県の現状と課題
報告7 民家からの民具・生活用具の救出活動―宮城県気仙沼市小々汐地区
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
2
オールカラー写真。文化遺産集積地としての博物館の保全は、震災においてとりわけ関係者のみならず、社会的な損失になりかねないとの認識が高まったと思われる。例えば、昆虫学の専門家は標本がなければ仕事にならない(100ページ他)。デジタルアーカイヴもPCがいかれれば大変か。古文書の復元作業も大変なご様子(157ページ)。マンパワーで修復していく技。次世代のために、当該地域のために、できる限り、復元することは亡くなった方々のためにも、重要であろう。2013/01/21
kan
0
共有の記憶としての歴史・文化資料レスキューの報告。生活復興と平行して文化資料を救った人々の記録。 2012/05/25