出版社内容情報
作品や作者を主題として多角的に論じられてきた狩野派研究に、新たに系統研究を提言。和絵古来の基本的な型を展開させてきた和様の画面形式に、漢画系から出自した狩野派は、本来和絵とは対照的な漢画をいかに適応させていったのか。狩野派最大の業績である障屏画制作が、漢画の和様化という働きを通じて、日本絵画史にもたらした意義を検証する。
〈主な目次〉序章=障屏画と和様(和絵と和様/図様と画面形式)/Ⅰ=和絵志向(絵様の把握/画面形式への適用/他)/Ⅱ=時世と歳時(和絵屏風の変容/風俗図様と景物図様)/Ⅲ=生活空間の表徴(集団活動/画体の成立/他)/Ⅳ=近世画壇にみる新局面(探幽と和絵/減筆体/他)/Ⅴ=図様の位置づけ(名古屋城本丸御殿/二条城二の丸御殿/他)/Ⅵ=和様化の帰結(粉本と模写/和様構成)
内容説明
本書は、既成の論考をふまえて副題にも示したように、狩野派にとって、最大の業績となった障屏画制作が、漢画の和様化という働きを通じて、日本絵画史にいかなる意義をもたらしたかを検証する。
目次
序章 障屏画と和様
第1章 和絵志向
第2章 時世と歳時
第3章 生活空間の表徴
第4章 近世画壇にみる新局面
第5章 図様の位置づけ―諸御殿障壁画をめぐって
第6章 和様化の帰結
著者等紹介
武田恒夫[タケダツネオ]
1925年京都市に生まれる。1951年京都大学文学部(美学美術史専攻)卒業。1962年京都国立博物館文部技官。1967年同美術室長。1974年大阪大学文学部教授。1983年文学博士。1989年大阪大学名誉教授。1989年大手前女子大学文学部教授。2000年大手前大学人文科学部教授、現在にいたる
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