内容説明
幕末維新の動乱期に、親藩の福井藩主ながら開国論を推進しつつ朝幕関係を調停、紛糾を防止した松平春岳(慶永)の裏面工作は絶大であった。その日記・著作・往復書翰・詩歌など未刊史料をも精査して、維新史上重要な位置をなす春岳の波瀾多き生涯を、回天勤地のめまぐるしい政情とともに見事に描く。
目次
春岳の人間形成と時代背景
夙に開国論に転向した春岳
春岳は政治生命を賭ける
霊岸島邸の幽居5カ年
政事総裁職時代の憂悶
開国論者の苦難の道
春岳朝政に参預す
長州再征には絶対反対
王政復古と春岳の使命
光風霽月の晩年
越前家系図
松平春岳(慶永)系図
略年譜