人物叢書 新装版
伊藤仁斎

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  • サイズ B6判/ページ数 217p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784642051767
  • NDC分類 121.56
  • Cコード C1323

内容説明

本阿弥光悦・尾形光琳・里村紹巴・角倉予以など、当代一流の人士を姻戚に持った家に生まれ。諸候の招きを固辞して専ら学問に傾倒した1代の硯学。当時朝野をなびかせた朱子学や陽明学を排し、自ら古学を唱え、門弟3000を数えた。儒者としての優れた生涯と、その学統の影響するところを述べ、難解な理論を平易に語る好伝記。

目次

第1 幼少時代(父系;母系;教養)
第2 青壮年時代(隠棲;同志会;水哉閣)
第3 老年時代(交友;学問;人柄;死)
伊藤仁斎系図
略年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

21
堀川をはさんで、仁斎塾と闇斎塾(49頁図)。古義堂近傍の地図。楽隠居の遁世者:仁斎は商人心ないため没落、まったく商売を仕舞ふて隠棲した人と交際して生活態度に深く共感している(104頁)。会読の読史会(112頁)。月に数次集まる。必ず酒食あり。学問研究が遊び、遊興と捉えられている。池上先生もワインを飲まれたというが。茶菓あり、詩あり、清談あり、世事を放擲した人の徹夜の集まり(115頁傍点)。精神を知って字義を知る(134頁)。2021/03/23

きさらぎ

3
家系や家庭環境・身分的・社会的状況、交友関係などを中心に書かかれた伊藤仁斎の紹介書。交友関係についてはちょっと網羅的に書きすぎて私はちょっとしんどかったです。仁斎さんはゆったり旦那調の長者で、色んな意味で豊かで広やかな人。若い頃は勉強に打ち込みたいのに医者になれとか周囲の干渉を受けて半ば引きこもりのようになったとかで、生来神経質だったのかもしれませんが、修養によって克服したという印象を受けます。読んでいて何となく春風とか春の海とかそういうものを思い浮かべました。闇斎との比較も興味深かったです。2014/07/21

Ohe Hiroyuki

1
論語などの漢籍について、原文にあたって考えるべきだといわゆる「古義学」を打ち立てたといわれる伊藤仁斎の一生を書いた一冊。▼本書を読むと、伊藤仁斎は、古義堂と称する自らの塾を中心として、様々な人と交流があったことが分かる。時は元禄文化などと呼ばれる時代である。伊藤仁斎の存在はまさしく時代の最先端であったであろう。▼その生き方と彼の著作については通ずるところがあるように思われる。様々な人と交流できること自体が、一つの「人格」を示しているだろう。2022/03/18

ゐ氏/きたの

1
ゼミ発表準備のため再読。仁斎に対して理解が足りないのを再認識...。仁と愛から説かれる抽象的なユートピア論は、朱子学との比較やのちの徂徠との比較だけでなく、近世儒学史全体を見通しても特異な思想な印象を受ける。仁斎が、京都の町人や公卿、高級文化人といった層に囲まれた環境にあったことも「近世儒者の立ち位置」という観点からすると興味深い。やっぱり武士だった闇斎や徂徠・白石や幕政の近くにいた林家とは異質で面白いなあ。仁斎の置かれた環境や元禄上方文化の雰囲気も踏まえて、もう一度仁斎の思想を捉え直したい。2015/10/20

月照彦

1
仁斎は深沈不競の人格者。見習わねば。2013/10/31

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