内容説明
有名な『意見十二箇条』の封事は着眼が鋭く論旨きわめて明快であって、“延喜聖代”の政治上の欠陥を具体的に剔抉して余すところがない。文人官僚として激しい学閥争いのなかで巧みに身を処し、“阿衡事件”にも“道真左遷”にも、基経や時平の権勢に迎合して一翼を担った有能なブレーン。その生涯を時代背景の上に描いた興味深い伝記。
目次
第1 出生前後
第2 就学時代
第3 初出仕のころ
第4 備中転出
第5 辛酉革命の論
第6 文人官吏として
第7 意見封事の上奏
第8 晩年の動静
第9 清行の余映
略年譜