内容説明
江戸後期、折衷学派の儒者。病身の生涯ながら、農後国(大分県)日田に私塾咸宜園を開設、50余年にわたり、門弟2,900余名を育成するとともに、大村益次郎・高野長英ら、幕末の逸材を輩出した大教育者であり、詩人としても名高い。本書は、その教育の実態と特色とを中心に、新史料を駆使して生涯を詳述した、著者多年にわたる研究成果の結晶である。
目次
第1 豊後国日田と淡窓の出生
第2 淡窓の修学と講業開始
第3 桂林園講業の開始
第4 堀田村、咸宜園の発足
第5 西国郡代塩谷大四郎正義
第6 大村、府内藩への出講
第7 『懐旧楼筆記』後の淡窓
第8 教育者としての淡窓
第9 咸宜園入門者の入門の趨勢
第10 淡窓の儒学思想-「敬天」を中心に
第11 淡窓の咸宜園の財政的経営