内容説明
華麗な天平文化の頂点に立つ“美貌の皇后”彼女はまた凄惨極りない政争の嵐の中にそびえ立つ存在でもあった。彼女は生来の叡智と仏への深い帰依によって数々の事業をなし遂げるが,公私にわたり人間としての悲喜にも遭遇する。この天平宮廷に生きた1女性を,政治・社会・文化の各方面からダイナミックに描き出したものである。
目次
「積善藤家」―2代の功業
「藤3娘」―皇太子妃
立后の前後―天平初期の政局と皇后
仏弟子光明子―皇后の仏教信仰
天平の廟堂―大仏造営をめぐって
柴微中台―仁正皇太后
華蔵の世界―正倉院の御物をめぐって