出版社内容情報
アップルやIKEAの製品が優れたデザインで世界的な成功を収める中,日本企業の多くが技術偏重でデザインを軽視しがちなのはなぜなのか。製品開発におけるデザインの重要性と,企業経営における可能性を,事例も踏まえつつ,マーケ
目次
第1章 日本の「デザイン」関連産業の今
第2章 なぜ日本ではデザインが競争力として活かされなくなったか
第3章 中国で起こっていること
第4章 伝統工芸産業で起こっていること
第5章 デザイナーの人材育成とキャリア形成の問題
第6章 デザインの力を経営戦略に活かすために―五つの視点
著者等紹介
鷲田祐一[ワシダユウイチ]
一橋大学大学院商学研究科准教授。1968年、福井県生まれ。1991年、(株)博報堂に入社し、生活総合研究所、イノベーションラボで消費者研究、技術普及研究に従事。2008年、東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程を修了(学術博士)。専門はマーケティング、イノベーション研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Acha
3
こういう本って難しいのですが、ただ最後の一言「日本のデザイナーには、世界の生活者に伝えなければならないイノベーションが、まだまだたくさんある。」ってなんか胸が熱くなる。まだまだできることがたくさんあると思わせる素敵なシメだ。がんばろうニッポン。いや、ワタシ。・・・的な。2014/09/02
Tatsuo Mizouchi
1
☆☆ イノベーションを技術革新と訳してしまったがためにある意味技術重視になり、デザインが軽視されてしまったのかな?2018/11/10
Moloko
1
デザインについて様々な分野や方法論の潮流を多大な文献狩猟から整理して吟味しており、流石は大学の研究者だと思った。会計や経営・競争論的な意味からのデザインについての論述が厚く、日本の電気機械等のガラパゴス化についても日本のデザインや文化と絡めて考察するなど示唆も多い。また、中国での建築や家具市場に着目して設計やインテリアデザインの観点から日本と比較しながら消費文化や設計側と依頼人や施工側との関係性の差違も取材で明らかにし、デザイン産業が中国市場に進出する課題を指摘している。他にも伝統工芸や教育もある。 2017/08/31
KakeruA
1
デザイン論ではなくデザインマネジメント論について書かれた本書は、統計資料と経営者やデザイナーへのインタビュー、アンケートを行った研究をまとめた内容となっている。デザイン費が公費として計上されない課題や海外流通への様々な小さい障壁は、事業展開する上で考慮すべきところなのだと理解することができた。2015/01/07
鈴蘭
0
国際的な競争力を強化するために、デザインという要素をどのようにして活用するべきなのかを、学術と実務の両方の面から分析したもの。デザイナーへのアンケートや聞き取りなどから、海外進出の際の課題や、日本の美大のカリキュラムに関する課題などが書かれていて、読み応えがあった。2016/12/11