出版社内容情報
『国富論』の「商業社会」概念における「繁栄」と「貧困」、「市場」、「法」、「政治」などの諸側面に光を当て、緻密かつ深く考察
内容説明
本書は、アダム・スミス『国富論』が描写した「商業社会」の理念が、スコットランド啓蒙思想家に共通の理念であったことを詳細に描き出すものである。啓蒙と商業が不可分の関係にあり、富と自由をもたらすとしても、繁栄の陰に生じる貧困をいかに解決するか、政治と徳の次元における腐敗の可能性にいかに対処すべきかといった問題に対する、スコットランド啓蒙思想家の根源的な取り組みを浮かび上がらせている。それは市場社会に生きる我々現代人が顧みるべき遺産である。
目次
第1章 スコットランド・改良・啓蒙
第2章 商業・段階・社会の自然史
第3章 繁栄と貧困
第4章 市場、法、および政治
第5章 自由と商業の徳
第6章 商業の危険
第7章 商業社会の理念
著者等紹介
ベリー,クリストファー[ベリー,クリストファー] [Berry,Christopher J.]
1946年生まれ。グラスゴー大学卒業。ロンドン大学Ph.D.。現在、グラスゴー大学名誉教授・エディンバラ王立協会会員。スミスの出身大学でスミスを中心にヒューム、ファーガスンなど英国経済学の源流であるスコットランド啓蒙思想を研究。『オックスフォード アダム・スミス ハンドブック』の編者を務め、スミスの世界的研究者として知られる
田中秀夫[タナカヒデオ]
1949年生まれ。1978年京都大学大学院経済学研究科修了。甲南大学教授、京都大学教授を経て、愛知学院大学経済学部教授・京都大学名誉教授。専攻:経済学史、社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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