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出版社内容情報
歴史ある代表的「国民参加型ODA」の実態を、様々な学問的アプローチにより総合的に分析。国民参加型ODAであり、国際協力機構(JICA)が実施している青年海外協力隊。この事業は、途上国の人々に変化をもたらす開発協力と、グローバル社会で活躍する日本人の育成という二つの顔を持ち、1965年の発足から50年を超えた。本書は、様々な学問的視点から、隊員への意識調査やインタビュー、参与観察や一次資料等を駆使し、隊員の実際の活動のほか、事業の制度や組織を総合的に分析。協力隊の役割を捉え直し、その意義を検証する
はじめに
序 章 青年海外協力隊の学際的研究(岡部恭宜)
1 青年海外協力隊の成果を分析する
2 国際ボランティアとしての協力隊
3 開発協力と人材育成を分析する視点
4 各章の概要
第?部 歴史と制度・組織
第1章 青年海外協力隊の50年──起源と発展(岡部恭宜)
1 青年海外協力隊の起源と発展
2 協力隊の歴史を問う意義と分析視座
3 協力隊創設の国際的要因:対米関係,冷戦
4 協力隊創設の国内的要因
5 協力隊事業の持続的発展
6 歴史に由来する協力隊の発展
コラム1 協力隊の多面的な活動?:「障害と開発」分野の協力隊員(土橋喜人)
第2章 ボランティア事業における現地事務所の役割(山田浩司)
1 ボランティア調整員はなぜ配置されているのか
2 調整員制度と現地事務所の役割の変遷
3 ボランティア活動を持続的な成果に導く条件
4 現地事務所全体としての協力隊支援
5 2016年以降の持続可能な開発への取組みに向けて
第3章 青年海外協力隊短期派遣と「グローバル人材育成」(藤掛洋子)
1 青年海外協力隊を知るために
2 「グローバル人材育成」と青年海外協力隊
3 短期派遣/ボランティアに関する先行研究
4 調査方法とインタビュー対象者について
5 聞き取り調査から見えてきたもの
6 課題と提言:短期ボランティア制度の発展のために
7 グローバル社会に生きる「グローカル人材育成」を目指して
コラム2 協力隊の多面的な活動?:ブラジル野球の現状と展望(黒木 豪)
第?部 隊員は何をしたか──開発協力の担い手
第4章 青年海外協力隊とキャパシティ・ディベロップメント(細野昭雄)
1 キャパシティ・ディベロップメントを目指す技術協力
2 CDのプロセス
3 「算数大好きプロジェクト」と「考える教育」への貢献
4 ジャパン・ブルー」と「マヤ・ブルー」の出会い:藍の文化の復興への貢献
5 チャルチュアパ遺跡の発掘・保存と考古学の発展,マヤ文化観光への貢献
6 3つの事例に見るCDと協力隊の役割
7 協力隊ならではのCDへの貢献:結語にかえて
コラム3 エルサルバドル考古学における学術的貢献(市川 彰)
第5章 「心」にはたらきかけた隊員たち──バングラデシュの予防接種,ホンジュラスのシャーガス病対策から考える(上田直子)
1 隊員は何を変えたか
2 ソーシャル・キャピタルとセンチメント
3 バングラデシュの予防接種事業:信頼と規範
コラム4 ベデを追って(上田直子)
4 シャーガス病対策:応答性
5 人々の「心」にはたらきかける
コラム5 天然痘撲滅計画と協力隊…金子洋三
第6章 青年海外協力隊隊員の役割と可能性──バングラデシュ国初等教育分野における活動事例(馬場卓也・下田旭美)
1 国際教育協力の課題
2 バングラデシュにおける初等教育の現状と課題
3 調査の目的と方法
4 調査結果I:協力隊員が有する知識の特徴
5 調査結果II:PTIにおける事例研究
6 考察とまとめ:協力隊員による教育改善への貢献可能性
コラム6 シリアにおけるパレスチナ難民キャンプへの教育支援(辻* 康子)*辻は1点しんにょう
第?部 隊員について知る──人材育成の成果
第7章 協力隊員の類型化──参加動機から見る隊員像──…須田一哉・白鳥佐紀子・岡部恭宜
1 協力隊員の人物像
2 ボランティアの類型化研究
3 協力隊員の6つの類型
4 6つの類型の解説と考察
5 類型化の有用性と今後の分析への課題
コラム7 現地に溶け込むために何をしたか:テキスト分析から見る異文化交流(須田一哉)
第8章 落胆と「成果」──太平洋島嶼の地域性と青年海外協力隊(関根久雄)
1 「見えない」成果へのアプローチ
2 レント・産業・サブシステンス:太平洋島嶼の「豊かさ」
3 太平洋島嶼地域と協力隊
4 「豊かさ」への戸惑いと協力隊員の成長
5 太平洋島嶼という地域性から見た成果
第9章 「めげずに頑張り続ける力」はどこから来るのか──パネルデータおよびインタビューによる分析(佐藤峰・上山美香)
1 「グローバル人材」の前提としての「めげずに頑張り続ける力」
2 分析枠組みおよび分析対象
3 活動状況と活動目標達成への努力から見る「めげずに頑張り続ける力」
4 「めげずに頑張り続ける力」をサポートし,「グローバル人材」として育成するために
コラム8 失敗から学ぶ」から学ぶ…佐藤 峰・上山美香
第?部 国際比較
第10章 アジアの国際ボランティア事業──欧米との比較研究(岡部恭宜)
1 アジアと欧米の国際ボランティア事業の比較
2 比較の枠組みと欧米の国際ボランティア事業
3 アジアの国際ボランティア事業
4 「アジア型」の登場か,「欧米型」への収斂か
第11章 政府系ボランティアのパイオニア・米国平和部隊の非政治性──ラテンアメリカ地域の事例を中心に(河内久実子)
1 政府系ボランティアのパイオニア
2 ピースコーの誕生と非政治性
3 ピースコーのラテンアメリカにおける展開
4 ピースコーの苦悩:ラテンアメリカの事例から
5 ラテンアメリカにおけるピースコーの半世紀の活動から見えること
第12章 英国VSOとJICAボランティア事業(松本節子)
1 進化を続ける組織
2 VSOの沿革とその発展
3 VSOの今日
4 JICAボランティア事業がVSOから学べること
5 ボランティア派遣事業の行方
コラム9 英国の国際市民サービス(ICS)プログラム(松本節子)
終 章 国際ボランティアとしての青年海外協力隊──成果,提言,展望(岡部恭宜・三次啓都)
1 青年海外協力隊に対する評価
2 協力隊の成果
3 協力隊事業に関する課題と提言
4 協力隊事業の今後の方向性
5 開発協力とグローバル人材育成のあいだ
索 引
岡部 恭宜[オカベ ヤスノブ]
編集
内容説明
国民参加型ODAであり、国際協力機構(JICA)が実施している青年海外協力隊。この事業は、途上国の人々に変化をもらたす開発協力と、グローバル社会で活躍する日本人の育成という二つの顔を持ち、1965年の発足から50年を超えた。本書は、様々な学問的視点から、隊員への意識調査やインタビュー、参与観察や一次資料等を駆使し、隊員の実際の活動のほか、事業の制度や組織を総合的に分析。協力隊の役割を捉え直し、その意義を検証する。
目次
青年海外協力隊の学際的研究
第1部 歴史と制度・組織
第2部 隊員は何をしたか―開発協力の担い手
第3部 隊員について知る―人材育成の成果
第4部 国際比較
国際ボランティアとしての青年海外協力隊―成果、提言、展望
著者等紹介
岡部恭宜[オカベヤスノブ]
1966年生まれ。同志社大学法学部卒業。外務省勤務の後、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学社会科学研究所助教、国際協力機構JICA研究所主任研究員を経て、東北大学大学院法学研究科教授、JICA研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。