出版社内容情報
【内容】
ギリシア・ローマ世界に与えた影響とは――。
古代エジプト文化がいかに形成され、継承され、
そして世界中に拡大していったのかを探る。
【目次】
はじめに
地 図
序 「長期持続の歴史」としての古代エジプト
I 古代エジプト文化の形成期
1 古代エジプト文化の形成期
2 コスモポリタン文化としての古代エジプト先王朝時代
3 ヌビアAグループ文化とクストゥル・インセンス・バーナー
II 古代エジプト文化の継続期
4 古代エジプトにおけるラピスラズリ
5 オソルコンIII世のプロフィール
6 エジプトにおける「クシュ系」第二五王朝の成立過程
III 古代エジプト文化の拡散期
7 パルミラにおける古代エジプト文化の影響
8 カンパニアにおける古代エジプト文化の影響
9 ポンペイにおける古代エジプト文化の影響
終 古代エジプト文化
あとがき
初出一覧
参考文献一覧
略語表
注
事項索引
人名索引
内容説明
本書により、古代エジプト文明は、隣接する地域であるナイル川上流のヌビアの文化や、遠方であっても非常に強力な文化であるメソポタミアやギリシア・ローマの文化の影響によって、少なくとも表面的には社会構造の崩壊が繰り返されたにもかかわらず、たとえばファラオの観念、来世観、美術様式などの文化の基本構造を根底に残しつつ継続していくというその特質が解明される。
目次
「長期持続の歴史」としての古代エジプト―古代エジプト史への社会変成過程観察モデルの導入
第1部 古代エジプト文化の形成期(古代エジプト文化の形成期―ラピスラズリを資料とした文化接触からのアプローチ;コスモポリタン文化としての古代エジプト先王朝時代―ヒエラコンポリス第一〇〇号墓の彩色壁画からの一考察 ほか)
第2部 古代エジプト文化の継続期(古代エジプトにおけるラピスラズリ―その現実的価値と象徴的意義;オソルコン3世のプロフィール―オソルコン3世=プリンス・オソルコン説の再考 ほか)
第3部 古代エジプト文化の拡散期(パルミラにおける古代エジプト文化の影響―ベス神のアミュレットからの一考察;カンパニアにおける古代エジプト文化の影響―チェラミカ・インヴェトリアータからの一側面 ほか)
古代エジプト文化―三〇〇〇年の継続
著者等紹介
大城道則[オオシロミチノリ]
1968年兵庫県尼崎市に生まれる。1992年関西大学文学部史学・地理学科西洋史専修卒業。1994年関西大学大学院文学研究科史学専攻博士課程前期課程修了。1997年英国バーミンガム大学大学院古代史・考古学科エジプト学専攻修了。2001年博士(文学)学位取得。花園大学文学部非常勤講師、関西大学文学部非常勤講師、京都教育大学文学部非常勤講師、常磐会学園大学国際コミュニケーション学部兼任講師を経て、現在、駒沢大学文学部専任講師。1994~1995年:シリア・パルミラ(F号墓)学術調査参加(シルクロード学研究センター)。1998年:イタリア・ポンペイ遺跡発掘調査参加(古代学協会・古代学研究所)。2001年~:シリア・パルミラ(G・H号墓)学術調査参加(橿原考古学研究所)
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