出版社内容情報
エーコ『薔薇の名前』の時代、聖フランチェスコを継いで法権力の外の生を求めた托鉢修道士たちに、大量消費社会を超える思想を読む。
もしも使用が所有と無関係で、法の外にある生活が可能だとしたら、どうだろう。世界的に注目を集めるイタリア人哲学者が清貧を貫いた修道者たちをホモ・サケル(法の外にある聖なる者)ととらえ、砂漠の聖者アントニオスからアウグスティヌス、アッシジのフランチェスコ、オッカムらの思想に、現代の大量消費社会を超える可能性を読む。異端裁判と背中合わせに生きた人々の言論に息をのむ。一番大事なことはイエスのような《貧しさ》であるとして所有権を拒否し、《生》の自立を求めた彼らの挑戦は、現代を生きる人々にも示唆に富んでいる。「ホモ・サケル」シリーズの一冊。
序文I 規則と生 (1規則の誕生 2規則と法律 3俗世からの逃亡と創憲 閾) II 典礼と規則(1生の規則 2口伝と文書 3典礼のテクストとしての規則 閾) III〈生の形式〉(1生の発見 2法権利を放棄すること 3いと高き貧しさと使用 閾)註 人名索引 訳者解説「所有することなき使用」上村忠男 訳者あとがき
内容説明
物を所有せずに使用する。現代が思考すらできないでいる、法権利の外にある生を求めた聖フランチェスコら托鉢修道者に、大量消費社会を超える可能性を読む。
目次
1 規則と生(規則の誕生;規則と法律;俗世からの逃亡と創憲)
2 典礼と規則(生の規則;口述と書記;典礼のテクストとしての規則)
3 “生の形式”(生の発見;法権利を放棄する;いと高き貧しさと使用)
著者等紹介
アガンベン,ジョルジョ[アガンベン,ジョルジョ] [Agamben,Giorgio]
1942年ローマ生まれ。ヴェネツィア建築大学教授を務めたのち、現在はズヴィッツェラ・イタリアーナ大学メンドリジオ建築アカデミーで教えている
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年兵庫県尼崎市生まれ。東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻
太田綾子[オオタアヤコ]
1947年東京生まれ。フィレンツェ大学教育学部イタリア語・イタリア文学科卒業、教皇庁立ウルバノ大学マーテル・エクレシエ短期大学(宣教カテケーシス専攻)卒業。教皇庁グレゴリアン大学聖書学院でヘブライ語・ギリシア語を学ぶ。滞伊26年、1991年に帰国。日伊協会講師(1989‐97)。1993年イタリア語通訳翻訳会社「アド・イタリア」設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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壱萬弐仟縁
34
hitotoseno
花林糖
9saito