冥府の建築家―ジルベール・クラヴェル伝

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  • サイズ B6判/ページ数 500,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622077084
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0052

出版社内容情報

クラヴェル。未来派演劇の監督、小説『自殺協会』、そして岩礁の洞窟住居。知られざる作家/建築家の世界初の評伝。

「わたしがいつかもはやこの世にいなくなったとき、わたしの霊は自分が一生涯のあいだ崇拝し、探し求めて、そのために自分のすべての信仰を捧げてきたもののうちに入り込んでゆく。朝はわたしとともに夕暮れとなり、暗闇は新しい一日の再生となるだろう」(草稿「変容」より)
 ジルベール・クラヴェル(1883-1927)。幼少期の結核が元で宿痾をかかえたジルベールは、イタリア未来派の演劇活動、『自殺協会』と題された幻想小説、そして南イタリアはポジターノの岬に建造した洞窟住居と、私的かつ詩的な神話とオブセッションを求めて44年の短い生涯を駆けぬけた。
「エジプト旅行によって古典古代よりもさらに古い古代に触れ、バレエ・リュスや未来派の経験を経て芸術の前衛を知ったクラヴェルは、塔を拠点に岩窟住居を造りつづけることにより、ポジターノの岩壁に暴力的に介入しながら、風雨に晒される、自然の四大との緊密な交感の場こそを切り開こうとした。(…)頽廃の美を食い破って〈岩石妄想〉が噴出したのである。クラヴェルの建築は、彼の魂であり霊でもあるような“もの”を包み込んでいる」
 バーゼル、マッジャ、ローマ、ポジターノなど、スイスとイタリアの各地に分散した遺稿をすべて踏査して、この知られざる特異な作家/建築家の生涯と妄執を辿り直した、世界でも初めての評伝。

内容説明

未来派演劇の監督、小説『自殺協会』の作家、洞窟住居の建築家。アヴァンギャルドにして古代神話の探究者。知られざる芸術家G・クラヴェル、世界初の評伝。

目次

1 メタモルフォーゼ(死の舞踏(一九〇二~〇七年)
放蕩者たちの島(一九〇七~一一年)
アーシア断章―日記と手紙から
オリエントへ(一九一一~一四年))
2 アヴァンギャルド(エキセントリック(一九一四~一七年)
未来派(一九一七~一八年)
メタフィジカ(一九一八~二〇年))
3 ミステリウム(塔と洞窟(一九二〇~二三年)
友と敵(一九二三~二五年)
睾丸と卵(一九二五~二七年))

著者等紹介

田中純[タナカジュン]
1960年、宮城県仙台市に生まれる。1991年、東京大学大学院総合文化研究科(地域文化研究専攻)修士課程修了。2001年、東京大学より博士(学術)の学位授与。専門は思想史・表象文化論。東京大学教授。著書に『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』(青土社、2001、第24回サントリー学芸賞)『都市の詩学―場所の記憶と徴候』(東京大学出版会、2007、第58回芸術選奨文部科学大臣新人賞)『政治の美学―権力と表象』(東京大学出版会、2008、第63回毎日出版文化賞)ほか、2010年、第32回フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

多聞

10
未来派演劇の監督、小説『自殺協会』執筆、建築家など多数の顔を持つ才人、ジルベール・クラヴェルの評伝。個人的にはクラヴェルのあまりにもユニークすぎる建築物の数々に目を奪われた。才能溢れる一人の男にただただ圧倒されるしかなかった。2013/02/09

misui

7
幻想小説『自殺協会』を著し、未来派演劇で活動、南イタリア・ポジターノに異形の塔を築いた人物の足跡をたどる。終生病と闘ったクラヴェルは、様々な芸術家と親交を深めながら活動し、古代エジプトへの憧憬を通して特異なオブセッションを抱くことになる。それはポジターノの塔の廃墟を、その地下を領土化しながら、やがて神話の古層にまで達していく。豊富な図版や書簡の裏には膨大な調査業がしのばれ、地道に事績を追う構成も見事。ことにクラヴェル自身が残した書簡の美しさはなんともいえない。何度も息を呑んだ。2013/01/09

Koki Miyachi

5
ジルベール・クラヴェルを初めて知った。幼少期の結核が原因でせむしになり、一生病弱な生活を余儀なくされる。恵まれた経済環境を背景に、小説や演劇などの前衛芸術の世界に没入し、不自由な身体と向き合いながら、独自の内的世界を深く彷徨う生涯。1909年にイタリアポジターノの岩壁に監視塔の廃墟を買い取り改築が始まる。設計図がなく彼の独自の世界観を投影するという独特の建築は、他に類を見ない建築のあり方を提示していて、実に刺戟的だ。この異能の才人の生涯を、鮮やかに跡づけた筆者の努力と筆の力には驚きを禁じ得ない。2013/04/18

メルセ・ひすい

5
貴重本 未来派演劇の監督、小説「自殺協会」の作家、洞窟住居の建築家。塔を拠点に岩窟住居を造り続けることによりポジターノの岸壁に暴力的に介入しながら、風雨に晒される、自然の四大との緊密な交感の場を切り開こうとした。…頽廃の美を食い破って<岩石妄想>が噴出したのである。アヴァンギャルドにして古代神話の探究者。知られざる芸術家G.クラヴェル、世界初の評伝。「死の舞踏」「オリエントへ」など、9章で構成。第9章 睾丸と卵は必読!2013/02/27

takao

0
世界でも初めての本格評伝らしい。 スイス出身の作家らしい。 イタリアのポタジーノに「フォルニッロの塔」を改築して「クラヴェル城」を作り上げた。 エジプトからも影響を受け、大地的なるものとしての建築らしい。 卵のかたちの空間をつくあげようとしたらしい。 1883.5生まれ、1927.9死去 2018/09/25

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