内容説明
未来派演劇の監督、小説『自殺協会』の作家、洞窟住居の建築家。アヴァンギャルドにして古代神話の探究者。知られざる芸術家G・クラヴェル、世界初の評伝。
目次
1 メタモルフォーゼ(死の舞踏(一九〇二~〇七年)
放蕩者たちの島(一九〇七~一一年)
アーシア断章―日記と手紙から
オリエントへ(一九一一~一四年))
2 アヴァンギャルド(エキセントリック(一九一四~一七年)
未来派(一九一七~一八年)
メタフィジカ(一九一八~二〇年))
3 ミステリウム(塔と洞窟(一九二〇~二三年)
友と敵(一九二三~二五年)
睾丸と卵(一九二五~二七年))
出版社内容情報
クラヴェル。未来派演劇の監督、小説『自殺協会』、そして岩礁の洞窟住居。知られざる作家/建築家の世界初の評伝。
「わたしがいつかもはやこの世にいなくなったとき、わたしの霊は自分が一生涯のあいだ崇拝し、探し求めて、そのために自分のすべての信仰を捧げてきたもののうちに入り込んでゆく。朝はわたしとともに夕暮れとなり、暗闇は新しい一日の再生となるだろう」(草稿「変容」より)
ジルベール・クラヴェル(1883-1927)。幼少期の結核が元で宿痾をかかえたジルベールは、イタリア未来派の演劇活動、『自殺協会』と題された幻想小説、そして南イタリアはポジターノの岬に建造した洞窟住居と、私的かつ詩的な神話とオブセッションを求めて44年の短い生涯を駆けぬけた。
「エジプト旅行によって古典古代よりもさらに古い古代に触れ、バレエ・リュスや未来派の経験を経て芸術の前衛を知ったクラヴェルは、塔を拠点に岩窟住居を造りつづけることにより、ポジターノの岩壁に暴力的に介入しながら、風雨に晒される、自然の四大との緊密な交感の場こそを切り開こうとした。(…)頽廃の美を食い破って〈岩石妄想〉が噴出したのである。クラヴェルの建築は、彼の魂であり霊でもあるような“もの”を包み込んでいる」
バーゼル、マッジャ、ローマ、ポジターノなど、スイスとイタリアの各地に分散した遺稿をすべて踏査して、この知られざる特異な作家/建築家の生涯と妄執を辿り直した、世界でも初めての評伝。



