粉飾―特捜に狙われた元銀行員の告白

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粉飾―特捜に狙われた元銀行員の告白

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620321905
  • NDC分類 916
  • Cコード C0036

内容説明

“粉飾詐欺”で懲役2年4ヵ月―最高裁で争う元銀行員が明かす、この国の検察、裁判所の矛盾。粉飾決算に手を染めざるをえない中小企業の現実に、真正面から踏み込んだ問題作。

目次

第1章 疑われたコンサルタント(検事との攻防;ガサ入れ ほか)
第2章 銀行員時代(さらばメガバンク;北の大地で ほか)
第3章 中小企業の社長を支えて(野戦病院の中へ;財務部長との確執 ほか)
第4章 逮捕(エス・オーインクへの捜査拡大;石塚健司との出会い ほか)
第5章 奪われた日常(保釈されて;執行猶予が当然 ほか)

著者等紹介

佐藤真言[サトウマコト]
1972年大阪府生まれ。北海道大学法学部卒。第一勧業銀行(現みずほ銀行)退職後、経営コンサルタント会社に勤務。取締役在職中の2011年、「中小企業に粉飾決算を指示し、銀行から不正に融資を引き出した」として、東京地検特捜部に逮捕、起訴される。2012年、東京地裁で懲役2年4ヵ月の実刑判決を受ける。高裁では控訴棄却、最高裁第一小法廷に上告中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Miyoshi Hirotaka

29
銀行からの評価を上げるために決算の見栄えをよくする粉飾もあるが、節税のために決算を実態より悪く見せる粉飾もある。一流の会計事務所を顧問とする大会社でも行われる。つまり、粉飾は規模の大小、動機の善悪を問わず発生する企業の原罪のようなもの。だからこそ、罪以上の善でそれを贖うべきだし、コンプライアンスが重要になる。一方、教科書的なイデオロギーで債務超過の会社は即淘汰されるべきというのであれば、再建の芽が摘まれ、さらには失敗者に冷酷な社会になる。角を矯めて牛を殺すようなもの。法的正義の濫用にも自制が求められる。2016/01/16

luther0801

18
▼理由はどうあれ、「どこも粉飾してる」は言い過ぎの感。▼私もメガバンク勤務を経て、いまは中小企業の経理を預っている。銀行時代にも、粉飾決算は少なからず見た。いまの会社は一切粉飾はしてないし、経理担当者なら、普段から銀行へ情報を開示し、銀行との信頼関係を築くことが肝要。▼資金繰に詰まることは、経営者ならもっと前に気付くはず。その時、まず、現金支出を抑える、資産を売る、など、やるべきことは有るはず。▼金が無い→粉飾やむなし→だから私は悪くない、という、筆者の安易な論法には違和感を覚える。この奥さまは偉い。2013/11/28

KAZOO

14
元メガバンク銀行員の手記です。中小企業のほとんどは粉飾をしています。言い過ぎかもしれませんが、黒字が出る会社は、家族への人件費を増やして利益が出ないように、法人税と社長や家族の所得税合計とどちらが多いかをはかりにかけて対応しています。赤字の会社はできるだけ赤字を少なくする粉飾を行います。銀行への虚偽説明だけでは、逮捕されません。特捜が捜査をしていた会社グループと関係があり、目を付けられたのだと思います。一罰百戒ですよね。今度事務次官になった村木さんの事件も同じだと思います。検察に目をつけられたら駄目ですね2013/06/18

月をみるもの

10
東芝とかオリンパスとかでかい企業は粉飾だろうが偽装だろうがやりたい放題なのになあ。。。2018/10/06

ふぇるけん

10
元銀行員で中小企業の経営コンサルタントをしていた著者が、ある日突然東京地検特捜部に狙われる羽目に。一度特捜に狙われたものの恐怖というものは経験した人でなければわからないが、相当な心理的負担があったことだろう。特に利益供与を受けたわけでもない著者が実刑判決とは、検察よりの視点で考えたとしても納得できない。やはり日本の司法のあり方に疑問を抱かざるを得ないというのが正直な感想。さらに、この一連の事件から中小企業の粉飾→融資リスクを取らない銀行→銀行の経営を規制する金融庁という日本の構造問題も浮き彫りに。。。2015/01/08

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