出版社内容情報
江戸時代の宿屋を舞台にした心温かくなるお江戸人情シリーズ第一弾!
内容説明
時は江戸。火事で姉とはぐれた少女・梅乃が身を寄せることになったのは、お宿・如月庵。料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えると噂の隠れ宿だ。クセ者揃いの奉公人と、ワケアリのお客たちに囲まれて、梅乃は新米部屋係として奮闘するが―。
著者等紹介
中島久枝[ナカシマヒサエ]
東京都生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。フードライターとして活躍中。『日乃出が走る』で第3回ポプラ社小説新人賞の特別賞を受賞しデビュー。同作で歴史時代作家クラブ賞新人賞ノミネート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
213
上野広小路から湯島天神に至る坂の途中に如月庵はある。最高のおもてなし宿で繰り広げられる人間模様。宿泊客ファーストの思いやりが心に響きます。女将のお松が語る宿名の由来がピッタリきます。そして、提供される料理が本当に美味しそうで、作者の描写力に思わず舌鼓を打ちます。さらに「羽州ぼろ鳶組」シリーズで描かれる江戸の火事を庶民の視線から見ることもできます。このお宿にはまだ隠された秘密があるってことで、お話は続きます。2020/12/03
とし
129
お宿如月庵へようこそ: 湯島天神坂1巻。大火事で姉とはぐれた梅乃が、お宿如月庵で働き始めるが、特別な場所であることに気づきはじめる、樅助、杉治、桔梗、紅葉と訳ありな奉公人、それに訳アリナお客謎だらけです。2021/04/05
やま
126
湯島天神坂1作目 2017.10発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。 悪戦苦闘の部屋係、雪に涙の花嫁御寮、和算楽しいか苦しいか、一人寂しい河童の子の4話。 火事で姉とはぐれた梅乃が、噂の隠れ宿・如月庵で新米部屋係として奮闘する物語です。 梅乃は、どうしてもお客の事情に首を突っ込んでしまう、そして女将から「部屋係に大切なのはお客をよく見て、自分が何をすべきか、何ができるか考えることだ」と言われるが、親身になり過ぎて、つい、つい……、それを如月庵の皆が助けていい方向へ持って行きます。🌿続き→2020/11/20
はにこ
52
火事で姉が行方不明になった梅乃は如月庵で働き出す。新米お部屋係で失敗しながらも成長していく話のようだ。姉が行方不明になったのは引っ張るのかなぁと思ったらあっさりここで解決。如月庵と梅乃の母のつながりなどまだ謎は残る。次も楽しみ。2021/03/12
タイ子
47
火事で焼け出された女の子がふとしたきっかけで隠れ宿で働くことになる。隠れ宿と言ってもフフフの二人がこっそりなんかではなく、訪れた人が浮世の憂さもスッキリとなれるような全てが行き届いた五つ星の宿なのです。奉公人たちは何やらいわくありげな者たちばかりだが、みな気は優しくて力持ち。新米の梅乃がいろんな客を相手に修行、成長していくシリーズ第一弾物語。人の縁が結んでいくホッコリと読める本でした。2017/11/17