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百年文庫

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  • サイズ B40判/ページ数 152p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591121658
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0393

内容説明

十五歳の夏休み、都会から海辺の村にやって来た「私」の前に、幼馴染みだった少女が一人前の娘になって現れた。思春期の淡い恋を描く、堀辰雄の『麦藁帽子』。いつまでも仲良しでいようと誓い合った二人の少女。だが、久しぶりの再会が、それぞれの心に微妙なずれを生じさせていく(ウンセット『少女』)。「ぼくは誰とも結婚なんかしないよ」。失恋し、傷心で帰郷したアントニオだったが、ひたむきな田舎娘コロンバに出逢い、思いがけず愛の情熱を知る(デレッダ『コロンバ』)。ほろ苦く甘美に押し寄せる、遠い日の記憶。

著者等紹介

堀辰雄[ホリタツオ]
1904‐1953。東京・平河町生まれ。東京帝国大学在学中から同人誌に作品を発表。1930年『聖家族』で文壇の注目を集め、昭和のモダニズム文学に新風を吹き込んだ

ウンセット[ウンセット][Undset,Sigrid]
1882‐1949。デンマーク生まれのノルウェーの作家。16歳から事務員として働きながら、1907年に『マルタ・オウリー夫人』を発表。中世を舞台に優れた歴史小説を書き、28年にノーベル文学賞を受賞

デレッダ[デレッダ][Deledda,Grazia]
1871‐1936。イタリアの作家。サルデーニャ島に生まれ、十代のころから小説を書き始める。郷土の自然と人間を写実的に描いた作品が高く評価され、1927年にノーベル文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

115
この巻では、これまで読んだことがなかった二人のノーベル賞作家の短編を読めたのが良かった。ノルウェイのウンセットの作品は、二人の少女の微妙な心の擦れ違いを描く作品。心洗われる繊細な自然の描写が良かった。イタリアのデレッダの短編は、教師から結婚を申し込まれた田舎娘の決断が、ほろ苦い印象を残す。女流作家らしく女性の心理の綾を見事に表現していると思う。堀辰雄の「麦藁帽子」は珠玉という言葉がぴったりの名作。2015/06/12

モモ

50
堀辰雄『麦藁帽子』15の夏に友人が滞在する海辺の村に招待された私。そこには友人の13歳の妹がいた。一夏ごとに成長し、うまく会話もできない二人のほろ苦い日々。シグリ・ウンセット『少女』二人の少女の出会いと別れ。ウンセットの人間観察力の鋭さに敬服した。女子の人間関係を正確に描いている。デレッダ『コロンバ』傷心のアントニオが帰郷し、村娘コロンバに出会い、惹かれるも…。何様?のアントニオに腹が立つ。未熟者だから『青』なのかしら?ウンセットの作品に出会えたことが嬉しい。ウンセットの作品をもっと読んでみたい。2020/08/16

臨床心理士 いるかくん

37
3人の作家の3篇からなるアンソロジー。淡い思い、たぎる熱情。2014/12/13

あじ

33
育っていく自意識が淡い恋心を遠ざける。堀辰雄/『麦藁帽子』の見事なごぼう抜き。◆42冊目/100巻2018/12/02

阿呆った(旧・ことうら)

25
タイトルの意味は青春の『青』◆堀辰雄「麦藁帽子」◆デレッダ「コロンバ」◆ウンセット「少女」の3作品。◆どの作品も、青少年期の男女や友人関係の中で、思春期特有の自意識や、未熟さ、成長による人間関係の移ろいやすさなどが表現されている。2017/02/07

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