出版社内容情報
湾岸戦争、イラク戦争、アフガン、カンボジア、ルワンダなどを戦場や辺境を取材してきた“放浪記者”が綴る異色の戦場サバイバル術。
吉岡 逸夫[ヨシオカ イツオ]
著・文・その他
内容説明
東欧崩壊、湾岸戦争、イラク戦争、アフガン空爆、カンボジア内戦、ルワンダ内戦…。青年海外協力隊員から新聞社のカメラマン、そして四十三歳で新聞記者に転向。数多くの戦場や辺境で修羅場をくぐってきた“放浪記者”による異色の戦場取材論。私を救ったのは戦場だった。私を飛躍させたのも戦場だった―。
目次
第1章 衣食住足りてスクープを為す
第2章 エチオピア革命が私を育てた
第3章 難民救済の仕事
第4章 新聞カメラマンの現実
第5章 東欧崩壊、そして湾岸戦争
第6章 カンボジア内戦
第7章 ルワンダ内戦
第8章 楽な戦争取材、危険な戦争取材―アフガニスタン、イラク戦争
第9章 左遷されても大丈夫
著者等紹介
吉岡逸夫[ヨシオカイツオ]
1952年愛媛県生まれ。元東京新聞編集委員。米国コロンビア大学大学院修了。青年海外協力隊員としてエチオピア国営テレビ局、飢餓難民救済委員会に勤務した後、新聞社カメラマン、記者として世界69か国を取材。1993年、94年に東京写真記者協会賞を受賞。著書に『漂泊のルワンダ』(牧野出版、開高健賞奨励賞)ほか多数。2018年2月13日に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zoe
18
軍隊が安全に気を使うのは当たり前。エチオピアではずるをしても賢い者が尊敬される?化学兵器生物兵器に対する防空壕は6階。クエートの難民は超金持ち。カンボジア・ルワンダの自衛隊の任務は、無事に帰国すること。(民間人がもっと危険な地域で活動しているのにも関わらず、という政治批判。)身分証明書に民族まで記載する必要があるか。四十の手習い。事実を報道すべき。写真、記事、本、映画、講演。ベストを尽くす。熊祭りとは何か。ジャーナリストの倫理観。2018/08/25
myon
7
「わたしはいつも諦めていた。自分に期待しない人間になっていた。しかし、やり始めたらベストを尽くすということ。すると十回に一回は誰かが手を差し伸べてくれる。すると何も期待していないだけに、すべてがプラスになり幸福を感じる。マイナス思考は、それ以上不幸になりようがない。だから、私は自分を救えた。」カメラマン、記者として69か国を取材、修羅場をくぐり抜けて生きて来た戦場取材論。報道されている一面だけで紛争地帯がすべて危険であると思いがちだが、のんびりした日常もあるというのも納得できて興味深い。2019/06/04
犬養三千代
7
2018年5月発行。 著者は2月13日に亡くなられた。 エチオピアに始まり東欧、湾岸戦争、カンボジア、ルワンダと数々戦場を歩いてきたエッセンス。それぞれの著作もある。 印象に残ったのは伴正一さんの言葉です。「しかしなぁ、国が転覆するところを目の前で目撃できるんだぞ。その体験は何にも代えられないだろう」 「死に場所は自分で決めるもの。それが本当の自由というものだろう」 著者の伴正一さんを描いた本を読みたくなった。 合掌。2018/07/15
どん
5
これはとても面白い本だった。ただ、この本の出版の前に亡くなったとは、本当に残念。読む前は著者のことを良く知らなかったが、読み始めると引き込まれ一気に読んだ。ものすごい人生だと思う。他の本もとても読みたくなった。 「はじめに」で著者の健康状態を知らされるが、読み終わるまで忘れていた。最後に、また「はじめに」を読み返すと感慨深い。「正義は語らない」というのが良い。本全体にそれが現れている。2018/09/19
ぱくすい
2
著者について何も知らず手に取ったが、思わぬ掘り出し物だった。特別なイデオロギーなしに、職業として/役割として戦地での取材を行なった体験がサバサバとした筆致で綴られる。「行き当たりバッチリ」なり著書もあるそうだが、肩の力を抜きながら、様々な現場で最善を尽くした様子が伝わってきてとても読み応えがあった。大病を患っての最後の著作だが、微塵も感傷がなく、前を向いた記述であることに感服した。著者の他の本も読んでみたい。★★★★☆2018/07/13