内容説明
作家や国文学者により、『古事記』は数多く訳されてきた。しかし、一読して理解できる本は、なかなか見あたらない。それは、訳文に古代の言葉をそのままあてはめているので、意味が取りにくく、難しくなってしまうからである。本書では、言葉の意味や背景の説明を加えることによって、神々と古代人の世界をわかりやすく、生き生きと甦らせた。
目次
上巻 神々の物語(神々の誕生;淤能碁呂島の出現;黄泉国訪問 ほか)
中巻 大和朝廷の誕生(東征の開始;登美毘古との決戦;三輪山の神の祟り ほか)
下巻 王族と豪族の抗争(仁徳天皇の善政;墨江中王の反乱;盟神探湯 ほか)
著者等紹介
武光誠[タケミツマコト]
1950年山口県防府市生まれ。東京大学大学院国史学科博士課程修了。文学博士。現在、明治学院大学教授。日本古代史を中心に日本文化を比較文化的視点で扱った研究に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
42
テスト勉強用参考文献。特に古事記は解釈が難しい部分があるので役立った。2016/06/13
n.k
19
出雲大社へ行った後衝動買いした本。神々と天皇の系図、複雑すぎて笑った。一体の神の亡骸から、その頭からは神A、左手からは神B、尿からは神C、嘔吐からは神Dというように無茶苦茶分裂して神々が爆誕するなど、想定外の展開ばかりで面白い。神話パートはまだファンタジーなので頑張れたが、天皇パート難解すぎて関係性を追うことを断念。でも大昔歴史で習った盟神探湯とかが懐かしくて楽しく読めた。内容が歴史的に正しいかどうかという議論だけではなく、こういう背景でこういう書き方がされたという解説があったので非常に分かりやすかった。2024/04/02
こつ
17
日本最古の歴史書、古事記。イザナギイザナミの国造りや因幡の白兎などお馴染みの神話から、段々と古代の王家のお家騒動まで、お話として読んでいてとても面白かったです。歴史書、と言われると首を傾げたくなりますが国を治めるには神話が必要なのかも。2021/05/12
lunarFarside
5
古事記編纂1300年だそうだ。ならばこの機会にと入門書に相応しそうなタイトルを選んでみた。著者は高田崇史のQEDシリーズでお馴染みの名前。これまたお馴染みの梅原猛の現代語訳もこのあと読む予定。しかし話の筋はともかく神々の名前が覚えられない。上巻の神話パートについては有名な逸話ばかりでこれこそ古事記というイメージ通りだが、下巻まで進むと古代王家の血みどろの争いが主になってくるんだな。これはこれで興味がある。2012/09/02
おらひらお
4
2012年初版。この本は導入としてちょうど良いものです。神の大きさの話が面白い。2016/11/04