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平凡社新書
イスラエルとは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 332p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582856439
  • NDC分類 228.5
  • Cコード C0231

内容説明

近代国家主義の権化たるシオニズムによって建国されたイスラエルは、正統的なユダヤ教徒たちの国ではない。欧米主導で形成された虚構の歴史を、“ディアスポラ”の歴史学者が明快に説く。

目次

第1章 今日のイスラエル
第2章 ヨーロッパのユダヤ教徒とユダヤ人―平等と絶滅のはざまで
第3章 シオニズムのキリスト教的起源
第4章 シオニズムの企図
第5章 シオニスト国家の形成と維持
第6章 ユダヤ教の伝統にとって“イスラエルの地”が意味するもの
第7章 ナチスによるジェノサイド、その記憶と教訓
第8章 シオニズムに対するユダヤ世界内部からの抵抗
第9章 変貌するイスラエル社会とユダヤ共同体
第10章 国際的視点から

著者等紹介

ラブキン,ヤコヴ・M.[ラブキン,ヤコヴM.][Rabkin,Yakov M.]
1945年、旧ソ連・レニングラード(現サンクト=ペテルブルグ)生まれ。レニングラード大学で化学を専攻、モスクワ科学アカデミーで科学史を学ぶ。73年以来、カナダ・ケベック州モンレアル(モントリオール)大学で歴史学を講じる(現在、同大学教授)。科学史(とりわけSTS「社会における科学と技術」の観点から)、ロシア史、ユダヤ史を専門とする

菅野賢治[カンノケンジ]
1962年、岩手県生まれ。パリ第10大学博士課程修了。一橋大学法学部助教授、東京都立大学人文学部准教授を経て、東京理科大学理工学部教授。専門はフランス語フランス語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まると

11
シオニズムはテロに目覚めたロシア系ユダヤ人が主導し、その帰結であるイスラエルは種族主義的な軍事国家であり、伝統的ユダヤ教の教義に基づかないばかりか相反するものだと徹底批判している。国連決議を無視して不法入植を繰り返し、パレスチナ難民を蹂躙し続ける国の正義とは何なのかと疑問に思っていたが、読み終えて腑に落ちた。米国との「特別な関係」は健在ながら、著者のような批判に同調するユダヤ人も世界中に相当程度にいるらしい。パレスチナ人に向けられた暴力的不条理を国際世論に問い続けることの重要性を改めて痛感した。良書です。2020/04/09

satochan

3
「ユダヤ人、ユダヤ教徒の皆が皆シオニストであるわけではなく、その皆が皆、イスラエル国に自己を同一化させたり、その国家がユダヤ人全員の名のもとに繰り広げている行動を追認したりしているわけではない」イスラエルを作るためにはナチスなどによって殺された犠牲者が多いほど、多くの国の賛同を得るというような記述もあった。。。イスラエルってなんだ。ユダヤ教を信仰してる人の国とはいえないんじゃないか。第五章から少し理解できる文章になった。2024/01/21

coolflat

3
物凄く難解な本だった。バルフォアとかベン=グリオンとか、突拍子もなく解説なしで用語が出てくるので、イスラエルの基本知識がなければ、内容についていけないと思う。結局、本書から拾えたことは、紛争状態を永続化させている最大の問題はシオニズム的構造にあるということだ。ユダヤ人を生産的な労働者として生まれ変わらせるはずだったシオニズムが、資本と生産手段がユダヤ系イスラエル人のみに集中し、生産労働は主として非ユダヤ系住民や他の移民によって担われるという経済システムに変容してしまったことが、現在の対立構造を招いている。2014/12/08

Yapuppy

3
難しいのであと半年したら再読したい。2014/01/31

leppe

2
自分には難解な箇所も多々あり、正確に文意を汲み取れたか少々不安なところはある。シオニズムのそれが、西欧植民地主義の手法を踏襲しており、むしろユダヤ教のそれとはまったく隔たったものであり(この”隔たり”は何度も本書で強調されていることだと思う。)、また自らの正当性を担保するためにあえて本質主義的な議論に落とし込むという指摘は、興味深かった。あと訳者の、人は、あるものに対して愛着をもった瞬間、そのあるものに対しての道義的批判を欠落させてしまうものだ、という指摘もある意味かなり今日的なテーマだなと思った。2015/12/07

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