内容説明
言葉は原発の壁を超えることができるのか?創作、批評、エッセイによる52人の思いと言葉。
目次
今日のあなたへ、明日のあなたへ(Rさまへの返事(佐々木譲)
“生まれてこなかったあなたへ”の手紙(下重暁子) ほか)
紡がれた物語(笛吹峠の鈴の音―“新々釈遠野物語”として(阿刀田高)
ダチョウの父(太田治子) ほか)
うたう、詠む、訴える(ウラン235(アーサー・ビナード)
なんのための成長(天野祐吉) ほか)
深部へのまなざし(泣いてるだけじゃダメなんだ―イラクと東京で掲げる「NO NUKES」(雨宮処凛)
フクシマで、あなたは何もみていない。(磯崎新) ほか)
語り伝えること(記憶と記録(浅田次郎)
罪と罰。(あさのあつこ) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
37
俵万智さんが沖縄に避難した時、批判した人がいました。 幼い子供がいたら私も同じ事をしたと思います。 批判する相手が違いますよね。 あさのあつこさんは嫁いだ娘さん一家が離れ離れになった時、ささやかな幸福を奪われた人々に思いを馳せています。 稲畑汀子さんは、現在の文明、快適な生活を捨てる覚悟で原発反対を表明されてます。 我が家もささやかですが、快適な生活を我慢して4年が経とうとしています。 今野敏さんは、原発が安全なら東京湾岸に作ってみればいいのだと言われました。 本当だ!2015/01/31
壱萬弐仟縁
11
本屋で知り借りてきた本。コラムニストの天野祐吉氏は、成長の自己目的化した原発からの離脱、成長からの離脱を語る(187頁)。ラトゥーシュの脱成長をも彷彿させる。プレカリアートの作家雨宮処凛氏は、脱原発デモなどの事例を取りあげており、昨今の汚染水漏洩が続くと、あのタンクがどこまで拡大するか、空恐ろしくなってきた。慶大の巽孝之教授からは、文明を扱った各種文学作品を取り上げて、SF文学からの教訓を学ぶ。瀬戸内寂聴氏は、原発事故は人災で、飯館村の方々の疲れ切った方々を労い、彼らの声を傾聴した。ペンは放射能より強し。2013/04/08
プチライス
5
51人の文筆家が、エッセイ、物語、詩、俳句などさまざまに反原発を表現する。大きく5つに分けられたなかで最後におかれた「語り伝えること」がより直接的に訴えてくる。轡田隆史氏の「「ゲンパツ」に反対するには、まず人間として自立し、小さな勇気をふるわなければならない」に強く感銘する。今の私には、無作為に抽出された番号に世論調査依頼の電話がかかってきたときに「反対」と答えるくらいのことしかできないけれど、意識は高く保ち続けたい。「見ろ。思え。考えろ」(あさのあつこ氏)、「思考を停止してはならない」(山岸涼子氏)。2012/06/11
メルセ・ひすい
5
15-158 日本ペンクラブの原発に対する゙認識゛を読む!…あなたの知見とご比較なさってください。『いまこそ私は原発に反対します。』★小生は核融合自体、成層圏外で扱うべきだ!という識者に賛同します。人ごときに制御可能な原理ではありません。ですから、成層圏内に持ち込むべきではありません。人の稚拙な技術で核を扱えば現地球を壊滅的に汚染してしまいます!★福島原発事故をどのように受け止めたらよいのか。浅田次郎、あさのあつこ、玄侑宗久、竹下景子、磯崎新、俵万智、瀬戸内寂聴、萩尾望都らが小説、詩、エッセイ、評論で表現2012/05/30
みい
2
図書館で借りてきてきました。全部読めるかどうかわかりませんが。気になる作者のから、少しずつ読んでいます。事故で爆発しなくても、核のゴミをちゃんと始末することができないのだから、原発は止めるべきです。そして、いままでの核のゴミをなんとかする技術の研究にお金をつぎ込みましょう。子供や孫達に、顔向けができない時代ではいかんと思います。2012/06/03