出版社内容情報
ベンヤミン譲りのアナクロニーの復権を掲げ、イメージの時間性を問い続ける著者が、今回、現代まで連綿する歴史的徴候としてのニンフの形象を鮮やかに描出。至極の名人芸をご堪能あれ。
内容説明
ヴァールブルク未完の研究『ニンファ・フィオレンティーナ』の本歌取り。時の無意識を見つめ、イメージのパトスを時間と地理を超えたドレープとして繰り広げる華麗な演舞。イメージ=徴候=落下の等式から、「人間の生が意欲することなくしてそこにこめる、不可思議な美しさ」を救済する。アナクロニズムにもとづく歴史記述の大胆な実践、イメージ人類学の見事な成果。
目次
ニンファについて、その落下について
聖女について、その遺物について
モードについて、そこから捨てられたものについて
街路について、その臓腑について
舗道について、それが表現するものについて
形なきものについて、それを包むものについて
コーダ―屑拾いのミューズ(歴史と想像力)
著者等紹介
ディディ=ユベルマン,ジョルジュ[ディディユベルマン,ジョルジュ] [Didi‐Huberman,Georges]
1953年フランス中部リヨン近郊サン=テティエンヌ生。リヨン大学で美術史と哲学を修めた後、パリ社会科学高等研究院(EHESS)に移る。1984年からはイタリアやアメリカで海外研究を行い、パリ第7大学勤務を経て、1990年よりパリ社会科学高等研究院助教授。旺盛な執筆活動に加え、国際学会・シンポジウムでの発表や展覧会企画なども積極的に行っている
森元庸介[モリモトヨウスケ]
1976年生。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。パリ西大学博士(人文学)。東京外国語大学等非常勤講師。思想史、フランス地域文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひばりん
思弁的プリキュア