マルセル・デュシャンとチェス

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  • サイズ A5判/ページ数 396p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582284485
  • NDC分類 723.35
  • Cコード C0071

出版社内容情報

現代美術の父マルセル・デュシャンの制作論における秘密を、チェスを手がかりに精緻に読み解く、気鋭の美術評論家による力作。

内容説明

気鋭の美術評論家がチェスとデュシャンの失われた関係を解き明かし、制作論の精緻な読み解きから造形の根源へと至る、スリリングにしてこの上なく大胆な意欲作。生誕130年、レディメイド登場100年!

目次

序章 二つのモノグラフの間に
第1章 絵画からチェスへの移行
第2章 名指されない選択の余地
第3章 四次元の目には映るもの
第4章 対立し和解する永久運動
第5章 遺された一手をめぐって
第6章 創作行為、白と黒と灰と

著者等紹介

中尾拓哉[ナカオタクヤ]
美術評論家。1981年東京生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。2014年に論考「造形、その消失において―マルセル・デュシャンのチェスをたよりに」で『美術手帖』通巻1000号記念第15回芸術評論募集佳作入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

msykst

10
▼読書に限らずこういう態度ってあまり良くないなと思ってはいるのだけど、やっぱチェスのルールと幾何学への理解が不足してると結構つらい。総論に関しては迷う事はなかったのだけど、しかし1番スリリングであろう個別の作品分析に関してあやふやなので悔やまれる。▼本書の目的は、デュシャンの作品(および制作論)とチェスの関連性を明らかにする、という事かと。デュシャンはある時期から美術作品の発表を止め(作品制作は密かに続けていた)、かなりガチ目にチェスに没頭するようになると。それは「芸術の放棄」と言われたりもしたんだ→2017/11/27

渡邊利道

3
デュシャンにとってのチェスを、その日常の傍につねに、思考の対象として芸術とともにあったという論考。特に前半のデュシャンの作品を、「選択」「対立」「頭脳」「四次元」といった主題で読み解いていく部分は大変面白かった。チェスという仮想空間的な遊戯と、絵画の中に多視点の時=空間がセザンヌ需要から導入されたことを「運動」の主題でつなぐ部分がとかそこから大ガラスまではほんの一歩でと思わせられる。まあ私の無教養のためにチェスについての細かい論考は読みにくかったけども。2019/04/25

yoyogi kazuo

1
「文學界」にこの本のレビューが載っていて、四次元についてアナロジー的に論じられているというので、二十世紀初頭の「四次元ブーム」とキュビズムの関連についてどの程度書かれているのか興味があって借りた。高次元世界の論者としてヒントンやブラグドンについての言及があるが、四次元のアナロジー的考察を最も推し進めたロシアの思想家ウスペンスキーについての言及はない。2022/05/29

m_s_t_y

1
『マルセル・デュシャンとチェス』読んだ。自分には馴染みのあるcorresponding squaresから「蝶番」、そして《大ガラス》に繋がるところが面白かった。一時期Alekhine Defenceばかりやっていた、というエピソードは、かつて自分もそうだったので親近感を持った。棋譜や局面の説明はとても丁寧。あと、デュシャンは思っていた以上にチェスが強いということがわかった。2017/09/18

shrzr

0
本当に、デュシャンとチェスについての本。デュシャンの芸術作品の中にチェスを見出し、チェスの中に芸術を見出す。2021/03/06

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