内容説明
2003年4月5日、桜が咲き乱れる東京を、6人の男女がさまよっていた。恋人との別れに怯えるレズビアン、子猫を隠れて飼うロッカー、セックス中毒の経営コンサルタント、仕事にも家庭にも疲れはてた家電量販店販売員…。破格のスタイルとドライヴ感溢れる文章で、人間の純粋さと弱さ、痛ましい希望を描いた現代日本文学。単行本未収録短篇「アヴェ・マリア」収録。
著者等紹介
桜井鈴茂[サクライスズモ]
1968年北海道生まれ。明治学院大学社会学部社会学科卒業。卒業後は、音楽活動ほか職歴多数。同志社大学大学院商学研究科中退。2002年『アパレルヤ』で、第13回朝日新人文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南雲吾朗
38
何かしら心に問題を抱えている6人の男女の日常を書いている作品。2008年に初読した時は、考えの甘い屑ばかりの日常を綴ったモノだと思った。その時は全く何も入ってこなかった。しかし、今回何故だかふと手に取って再読した。再読してみて印象が変わった。各々に悩みや不安を抱えながら、そこから抜け出そうと足掻いている状態が感じ取れた。 「世界は美しいだの人生は素晴らしいだのと言い切ってしまえるのはいつだって得をしている側の人間だ。この人生は素晴らしくなんかなく、延々と続く罰ゲームみたいなものだと言う事を。」2018/08/23
ロイヤルミルクティ
8
申し訳ないくらいに合わなかった。途中から斜め読み。余白が狭いのも目に圧迫感だったなぁ。相性の問題。2013/03/14
k&j
5
劇中にも名前が出てくるけど映画「マグノリア」を連想させる、やるせない日常を過ごす6人の男女の群像劇。それぞれのストーリーは時々微妙に絡み合ったりもするけど、基本的には孤独で共有できない人生が続いていく。映像と違って面白い点は、もしかして同じ人かな?と思えるような人物が何度か出てきたりするけどはっきりとした正解は示されないこと。やたら文字が詰まってて文体も独特なので好き嫌いはありそうだけど、自分はかなり好きな作品でした。この作者の本は、とりあえず文庫になってるものは全部読んだけどもっと読んでみたい。2019/01/27
002
4
タイトルが好きで気になってた本。けど、読みにくっ!!改行少ないし、この変な改行の仕方なんなんやろ?!会話すごい続くし‥6人の問題抱えた人達が代わる代わる出てきて、誰が誰か最後までわかりにくかったなー。けど、最後同じバーに全員集合して、元々知り合いだったり、そこで知り合ったりするのは、面白い展開だと思った。けど、なんの解決もしてなくて、なんの話を読んだのか、よくわからないまま終わった‥2015/05/20
ふじっこおまめ
1
半年前に購入のサイン本。鈴茂さんの文体が好きだ。句読点なくてもダラダラしてない疾走感あふれる文体。ストーリーは、あとがきにもあったけど終わりまで行きつかないなりにもがいてる?それを知られることもなく、知られそうでも結局知り得ない6人の話。2014/05/11