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あやしうらめしあなかなし

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575235531
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

日本特有の神秘的で幻妖な世界で、生者と死者が邂逅するとき、静かに起こる優しい奇蹟。此岸と彼岸を彷徨うものたちの哀しみと幸いを描く極上の奇譚集。名手が紡ぐ、懐かしくも怖ろしい物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

37
熱く寝苦しい夏の夜にぴったりな短編7編。内2編は「神坐す山の物語」の作者の母親の実家である御岳山の神社で子供の頃伯母からきいた話。「神坐す山…」でも感じたことだが、頼ってくる人に対する割り切り方が冷たいように思うのは私だけだろうか。でもそれは、畏み怖れる神に仕える人たちだからこそのことなのかとも思う。他5編、死後もなお残る思いが込められている。怨めしさ、哀しさが心に沁みる物語だった。2018/08/16

なにょう

22
①夜半、山上の宿坊を訪ねてきた若い男女。宿主は訳ありの二人を諌めるがやはり悲劇は起き……②乳飲み子含む3人の子を抱え、夫婦ともども関東に夜逃げ。夫に待ち構える結末とは……③若き日に引き裂かれたカップル。彼女は悲嘆に暮れ自殺したのではなかったか……森の奥からやって来るのは何?④先輩は元彼に会いに行った……じゃなかった⁈⑤父母を亡くし、相続で悠々自適の男。結婚してもいいかなと思って出会った女は……⑥浅田さんお得意の戦中と現代が交差する。⑦山の話再び。昔は狐に憑かれた人がおり……いやミス的な、なかなか面白い。2017/09/06

あずき

16
7つからなる短編集。怪談なのだろう、と思って覚悟して読み始めましたが怖くはないし、読みやすいので寝る前にスタンドだけの灯で読み始めたのが「客人」。コレがいけなかった。しんとした夜の部屋で時々ゾクッとしてしまう。このまま寝ては悪い夢を見る気がして、戦死した霊が彷徨う「遠別離」を読んだら布団の中で泣いた。とても日本的、そしてどれも哀しみが残る。2018/02/21

目玉おやじ

13
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。勝ち組、負け組などと申しますが、いつの世にも勝者がいれば敗者がいるもの。敗れ去りし者の哀切-これを書かせると浅田次郎は巧い。帯にある「幽霊」ならぬ「優霊」なる表現は正鵠を得ている。この世に想いを残して死んだ人々を見つめる著者の眼差しは常に優しい。抑えた表現で派手な怖さこそないが、じんわりと心に沁み入る、優しき怪談奇談短編集、堂々の浅田ワールドである。秀逸なのは戦争もの・兵隊もの。名も無き一兵卒の心情を切々と描写できるのは、自衛隊経験のある浅田ならではであろうか。2010/05/11

月夜

10
読みやすかったけど よくわからないものが多かった 感性の問題か。 全体に 誰かの恨み 哀しさ 恐怖 その雰囲気が漂っているのはわかった。2014/07/25

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