ＰＨＰ新書 がんばっているのに愛されない人―ナルシシズムと依存心の心理学

加藤 諦三【著】

ＰＨＰ研究所（2014/03発売）

• サイズ 新書判／ページ数 233p／高さ 18cm
• 商品コード 9784569817200
• NDC分類 141.6
• Cコード C0211

出版社内容情報

恋愛がうまくいかない人、愛されない人は、いったい何が原因なのか？　あなたのなかに潜むナルシシズムと依存心をわかりやすく解説。

【著者紹介】
早稲田大学名誉教授

内容説明

恋愛ではその人の長所も短所もすべて表れてしまう。弱点を隠そうと無理してがんばっても、自分のコンプレックスを隠しきれるものではない。失恋すると、どうしても相手を責めてしまう。なぜこうなったのか、冷静に考えられることは少ないものだ。自分を省みず、本当の原因を認めないから、悩みや苦しみはいつまで経っても解決しない。恋愛を重ねてもいつもうまくいかない理由はここにある。愛する能力があれば人はなんとか生きていける―心理学者として長年活躍を続ける著者が人生を振り返り、もっとも大切だと痛感した愛について、冷静かつ情熱的に語った一冊。

目次

第１章　なぜいつも恋愛がうまくいかないのか（彼が本当に求めていたのは、女性ではなく母親役；マザコンの男性は、どうあがいても幸せになれない　ほか）
第２章　無条件の愛を求めるから歯車が合わない（いつも自分だけを褒めていてもらいたい；不機嫌がすぐに直らない理由と、彼らの「正義」　ほか）
第３章　劣等感と愛情をはき違える人たち（お互いの劣等感がきっかけで付き合うことがある；執着のすさまじさを愛の強さと錯覚する　ほか）
第４章　人は傷つきながら成長していく（無理をしているうちは本物ではない；相手が求めるものを考えるのが愛　ほか）
第５章　苦しんでこそ、ようやく愛する力をもてる（自分をしっかりもたなければ、人を愛することはできない；同情を得て心の安定をはかろうとする人たち　ほか）

著者等紹介

加藤諦三［カトウタイゾウ］
１９３８年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。１９７３年以来、度々、ハーヴァード大学准研究員を務める。現在、早稲田大学名誉教授、ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員、日本精神衛生学会顧問、ニッポン放送系ラジオ番組「テレフォン人生相談」レギュラーパーソナリティー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[活字スキー]

自分は特に「愛されたい」と思って頑張ったりはしてないのだが、恋愛に限らず「本人としては頑張ってるつもりっぽいけど、その頑張り方じゃダメなんじゃね？」と思う事例をしばしば見かけるので、何か改善の手掛かりでも見つかればと思ってタイトル買いしたもの。自分に当てはまる部分もあったが……いやー、容赦ないなー。著者さんめちゃめちゃドＳやん。本で読むだけでも相当キツいけど、講演とかでもこの調子ならその場で逆上して刺されるんちゃうの？

2018/02/16

[きゅうり]

簡単に人生が楽になるわけない。愛することは苦しい。相手のことを考えて考えて自分を抑え我慢すること。それが大人。…つらいよ。よくあるハウツー本と一線を画すのは、衝撃的に突き放してそこで終わりなところ。でも、それが本当なんだと思う。

2017/03/14

[marua]

とはいえ、共依存だろうがDVだろうが家庭内離婚だろうが、結婚して子供をもうけた人が社会的には「世の中にコミットしているまともな人間」として評価される。好きになった相手が自分に何をしてほしいか、汲み取れる人ほど一人であるという現実もある。ストーカーにもなれないのは意気地なしか、相手を想う想像力の表れか。ジャッジを下すのは誰なんだろう。

2015/12/22

[Ryo]

副題にあるナルシシズムの原因に興味を持って手に取ったが、ナルシシストについての部分はほとんど頭に残らず、愛するという事について色々考えさせられる本だった。 結局人は強くなる事でしか救われないという引用文はガツンと刺さる。 誰でもできると思っている愛するという行為も、様々な障害から逃げずに戦い傷つかなければそ能力を獲得出来ないとは衝撃だが、確かにしっかりとした自我が発生しなければ地に足をつけて人を想うことは出来ないだろう。 こういう本を読むにつけ、人生からの障害を取り除き続ける社会の在り方に疑問を感じる。

2016/11/12

[ルナティック]

著者初読み。ちょっとビックリ。バサバサ切っていくような口調で、かなり放り投げているし。でもそれは現実だわ。自分で乗り越えねばならない。そうビシバシ言われている気がした。恋愛に特化しているけど、共依存や人との関わりへの無理解等々が書かれているのかな？自分で気付け、そしてできる範囲で良い方向へ進め。自分の人生を豊かにしたいのなら。その通り。でもそれが険しい。

2021/10/01