出版社内容情報
アーデン家も関わりし火薬陰謀事件の翌年─1606年を、シェイクスピア目線でクローズアップ! 『リア王』執筆の時代背景を活写。
内容説明
宗教対立によるテロ事件、愛国主義の高まりと外国人排斥の声、そして疫病にも脅かされていた島国の首都・ロンドンを舞台に、『リア王』や『マクベス』が書かれた背景を政治的にも探究し、ジェイムズ朝をあざやかに甦らせる「歴史読み物」。
目次
一六〇六年一月五日
国王一座
王国分割
『レア王』から『リア王へ』
悪魔憑き
手紙
ミサの遺品
忘れるな、忘れるな
『ヒュメナイオスの仮面劇』
二枚舌
地上の地獄〔ほか〕
著者等紹介
シャピロ,ジェイムズ[シャピロ,ジェイムズ] [Shapiro,James]
1955‐。ブルックリン生まれ。コロンビア大学を卒業したのち、シカゴ大学で修士号と博士号を取得し、コロンビア大学教授。『一五九九年―ウィリアム・シェイクスピアの生涯に於ける一年』(シアター・ブック賞およびサミュエル・ジョンソン賞受賞、2005)、『疑われたウィル―誰がシェイクスピア作品を書いたのか』(ジョージ・フリードリー記念賞受賞、2011)ほか
河合祥一郎[カワイショウイチロウ]
東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学英文科卒業後、東京大学大学院とケンブリッジ大学大学院より博士号を取得。著書にサントリー学芸賞受賞作『ハムレットは太っていた!』(白水社)ほか。訳書、劇作もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
24
リア王、マクベスに込められたメッセージと当時の政治背景を絡めて説明。2018/03/13
kao
4
★4.9 凄まじい本を読んでしまった。現在でも続く有名なイギリスの11月5日のお祭り「ガイ・フォークス・ナイト」。1605年の国王ジェームズ1世及び国会議事堂の爆破未遂事件にちなむ。シェイクスピア作品「マクベス」「リア王」「アントニーとクレオパトラ」はこの翌年1606年に完成されたようだ。この時代に起こっていたことと作品は表裏一体であった。訳者・河合祥一朗氏の注釈も感嘆!凄いレベル。シェイクスピア研究が文学のみならず深く「リベラルアーツ」を養うものになると改めて実感。大お薦め。2019/05/05