内容説明
世界初の児童書専門の国際書籍見本市は、いつどのように始まったのか?綿密な調査、個性あふれる関係者たちへの取材によって初めて明らかになる、絵本の町ボローニャ50年の歩み。
目次
はじめに 春だ!ブックフェアだ!
第1章 ボローニャ・ブックフェア誕生
第2章 五十年史を編んだ女性たち
第3章 国際イラストレーター展
第4章 児童書をめぐる様々な町の取組み
あとがき ボローニャへ、ようこそ
著者等紹介
市口桂子[イチグチケイコ]
大阪府出身。大阪外国語大学卒。ボローニャ在住。漫画家・著述家。イタリア、ベルギー、フランスを中心に漫画やエッセイを執筆するかたわら、日本の漫画・書籍を多数イタリア語に翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
39
井上ひさし「ボローニャ紀行」でも言及されてなかったブックフェア。今では児童書・絵本にとっての登竜門のようになっている。日本の出版社で却下された原画がイタリアで認められ日本に逆輸入されることも珍しくない。日本の女性の輝く場のひとつだと強く思う。板橋区立美術館で38年にも渡りイタリア・ボローニャ 国際絵本原画展を行っていることは知らなかった。駒形克己の少年院での取り組みと、少年院の院長の「美は教育そのものなんです」に共感する。ボローニャは児童書にとって小さいけれど深くて丈夫な鍋のようなもの。住んでみたい街だな2018/11/24
にゃんこ
27
【図書館】 ボローニャ在住の著者が、ほんの小さな偶然から端を発して調べた…というにしては、見事に一冊にまとめ上げてるなーと思います。 ←なんか、偉そうだ(笑) でもホント、「ボローニャにどうして児童図書展が?」という素朴な、小さな疑問から生まれた本だと思います。 そして、著者の行動力の賜物だとも。 このお二方も女性なら、ボローニャ・ブックフェアをここまで大きくしたのも女性達。 こんな裏舞台を知って、ますます近くに美術館がある事が嬉しいです。これからは、もっと頻繁に行きたいな。2014/10/24
壱萬参仟縁
24
ブックフェアはボローニャの春の 風物詩(16頁)。 法律の大学があることぐらいしか 知らないまち。 ヨーロッパ最古の大学(19頁)。 最古の見本市は1196年 の家畜見本市(21頁)。 鎌倉幕府の頃か、という衝撃。 12-13Cのボローニャ法学者は グロッサトーレというらしい(24頁)。 図書館はマルゲリータ公園の敷地内 に建設(51頁)。 ブックフェアは児童書の見本市として 生まれた(88頁)。 2014/06/22
ぶんこ
24
1章はボローニャの歴史に多くが費やされ、それが児童書専門のブックフェアを推し進めた女性たちの活躍になってきて、俄然面白くなりました。 フェアの運営も、そこでの利益追求ではなく、才能を掘り起こし、世界へ広く伝えるのが目的でした。 その中の一部として扱われていた絵本の原画としてのイラストレーター展が、廃止されかねなかった時に、日本の板橋区立美術館が原画巡回展の使用料を払うことで救いました。今、板橋区立のボローニャ児童図書館があります。 細かいいきさつは本文を読んで下さい。 凄く面白いです。2014/06/06
aisu
13
毎年大谷記念美術館で開催されるボローニャ国際絵本原画展、大阪でも宣伝されていますし、数回行きました。この美術館はお庭の綺麗な良いところで、行くと癒されます。しかしなぜボローニャ?と素朴に疑問に思ってました。国際とつくだけあって作品は世界中から集まったものだし。そんな疑問に答えてくれる本です。元々は絵本・児童書の国際見本市で、そういうものを開催するビジネスの話としても興味深く読みました。2018/05/15