出版社内容情報
当代一の書籍修復家に弟子入りした女性が綴った回想録。本を愛する心、手仕事の技を学ぶ愉しみ、日本の伝統との出会いを描く。
内容説明
触れただけでぼろぼろと崩れそうな古くて貴重な書物を丹念に修復してゆく。手仕事の技を学ぶ愉しみ、実践する喜びをいきいきと描く。
目次
始まりと終わり
道具
入門
世間の注目
修業の仕上げ
著者等紹介
ウィルコックス,アニー・トレメル[ウィルコックス,アニートレメル][Wilcox,Annie Tremmel]
アイオワ大学で英文学を学び、1994年に博士号を取得。アイオワ大学中央図書館保存修復部で貴重書の修復を手がけていた高名な製本家・書籍修復家ウィリアム・アンソニー(1926‐89)に女性として初めて弟子入りした。アイオワ州ノースリバティ在住
市川恵里[イチカワエリ]
1966年生まれ。早稲田大学第一文学部卒(英文学専修)。編集者を経て翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book shelf
1
保存科学を専攻していた大学時代でさえ、本の保存修復について何か学ぶことはほとんどなく、その技術や処理方法はあるのはあるが、どのようなものかはわかりませんでした。 本書の訳者あとがきでも書籍修復が珍しい仕事であることが書かれていましたが、この本は修復技術のノウハウや、専門知識を深めるというような内容ではなく、書籍修復家の著者が日々の修復活動の中で感じたことや、どのような本をどう処理したのかというような日記的な内容になってします。2018/07/05
patapon
1
師から弟子に受け継がれていく技術を、大切に身に付けていく過程の記録。先生の手の写真がとても良い。職人の手ですね。2014/01/08
のの
1
職人さんだよなぁ。 著者が修復の道にどう入り、どういう過程を経たのか、どちからというと手記・日記みたいな感じの本でした。2013/11/05
とかねね
0
古書修復の弟子として過ごした著者の記録です。古書修復の仕事は時間と手間がかかり、知識も必要になってきます。けれど自分の手でたった一つしかないものを作り上げていく、その技術は人によって伝わっていく。日本ではまだまだ古書修復の専門的なことを学ぶ場は少ないそうです。電子書籍の時代がやってきそうですが、まだまだこれからも紙の本を大切にしたい自分としては、このような手作業の技術は広がっていってほしいです。2015/06/07
ひか
0
古書修復という仕事は知らなかったが、興味深かった。職人としての仕事の仕方、技術を次の世代へと繋いでいく姿が印象的。2015/03/03