出版社内容情報
幼い頃から馴染んだ土地への“失われない”愛と惜別の思いが滲む短篇と、本邦初訳のノーベル文学賞受賞記念講演「彼とその従者」を収録!
内容説明
クッツェーが南アフリカからオーストラリアへ移住して、ノーベル文学賞を受賞した時期に書かれた珠玉の三篇。それまでの暮らしに別れを告げて国外に移り住む心づもりを皮肉とユーモアを交えて描く「スペインの家」。幼い頃から暮らした土地への“失われない”愛と惜別の思いが滲む「ニートフェルローレン」。かつてはイギリスの植民地だった土地で生まれ、英語を第一言語として育ち、英語で作品を書くクッツェーが、ロビンソン・クルーソーの物語と自身の体験を寓意のなかに織り込んだノーベル文学賞受賞記念講演「彼とその従者」を収録。
著者等紹介
クッツェー,J.M.[クッツェー,J.M.] [Coetzee,J.M.]
1940年、ケープタウン生まれ。16歳のとき写真家を志すが断念。ケープタウン大学で文学と数学の学位を取得して渡英、コンピュータ会社で働きながら詩人をめざす。65年に奨学金を得てテキサス大学オースティン校へ、サミュエル・ベケットの文体研究で博士号取得。68年からニューヨーク州立大学で教壇に立つが、永住ビザがおりず、71年に南アフリカに帰国。以後ケープタウン大学を拠点に米国の大学でも教えながら執筆。初の小説『ダスクランズ』を皮切りに、南アフリカや、ヨーロッパと植民地の歴史を遡及し、意表をつく、寓意性に富んだ作品を発表して南アのCNA賞、フランスのフェミナ賞ほか、世界的な文学賞を多数受賞。83年に『マイケル・K』、99年に『恥辱』で英国のブッカー賞を史上初のダブル受賞。2003年にノーベル文学賞受賞。大都会には住めないと、02年から南オーストラリアのアデレード郊外に住み、14年から「南の文学」を提唱して、アルゼンチンを拠点に南部アフリカ、オーストラリア、ラテンアメリカ諸国をつなぐ新たな文学活動を展開する
くぼたのぞみ[クボタノゾミ]
1950年、北海道生まれ。翻訳家・詩人。著書に、『J・M・クッツェーと真実』(読売文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たま
fwhd8325
榊原 香織
hiroizm
かふ