出版社内容情報
従来のエントロピー観を覆した名著!
内容説明
エントロピーは、単なる無秩序さの尺度ではない。エネルギーとの関係を説き明かし、従来のエントロピー観をくつがえした快著。
目次
1 自然は対称的ではない
2 変化の道しるべ
3 カオスに落ちこむ
4 無秩序さの定量化
5 カオスの力
6 カオスを変化させる
7 パワーズ・オブ・温度
8 物をつくりだすカオス
9 カオスがつくりだす模様
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoshi
6
ちょっと古い本。ほとんど熱力学の解説。最後の章は、散逸構造に関する説明があるが、Aライフのようなものが生物のモデルになるという期待は、現在は、かなり縮小していると思う。というのは、その後、ほとんど進展していないからだ。 秩序形成のために、エネルギーが必要であったり、開放系に着目すべきではあるだろうが、散逸構造だけでは、生物のように、構造が発展することを説明することは難しいと思う。また、生物は、目的志向の行動が明らかに可能だが、それを散逸構造は説明できないと思う。2024/09/24
あにこ
2
名著。熱力学第二法則ってこういうことだったのか!とよく分かった。なんと堅固で、そして美しい法則なのだろう。熱力学は今までも割と興味のある分野の一つではあったが、この本でその地位がかなり向上。すごいな。世界の真理にこの上なく近いように思う。新たな人生観をも与えてくれた、久々に魂に響いた本。2014/08/19
kotarok
1
自分の中でピダハン読了後およそ1年ぶりに大きな感動を得られた名著。熱力学第2法則についての知見を教科書レベルから大幅に引き上げてくれた。久しぶりに物理の教科書を開くきっかけにもなり学生時代の自分の未熟さと今の自分の未熟さを再認識することができた。なんとなく自分の人生の区切りに読む本としても適切だったように思える。2015/01/20
takejin
1
とても面白いし、わかりやすい。エントロピーの疑問が次々と解決して行く。生命とエントロピーの関係も、明確に。数式も無いのに、熱力学は、ほぼバッチリです。2013/07/18
モモのすけ
1
2003年7月読了。「私たちは、カオスから生まれた子どもである。そして何かが変化するとき、その奥底では腐敗が起きている。根底にはただ崩壊があるのみで、カオスがくい止めようのない波となって押し寄せてきている。カオスになることには、何も目的などはなく、あるのはカオス状態に向かう方向だけである」