内容説明
なぜ国際社会の反発を無視して武力挑発を繰り返すのか。なぜ、餓死者が出るほど経済が窮しているのに体制が崩壊しないのか。金正恩はそれを継続できるのか―。謎に満ちた政治経済システムに、脱北者へのインタビュー、豊富なエピソードを交えて日本経済新聞前ソウル支局長が追る。
目次
第1章 「遺訓」と「独自色」で揺れる金正恩統治
第2章 北朝鮮経済、生き残った理由
第3章 ヤミ経済を支える外貨稼ぎ
第4章 ロイヤルファミリーは大富豪
第5章 軍と党、終わりなき主導権争い
第6章 飢える地方、広がる格差
第7章 台頭する新興富裕層
第8章 しかたなく「中国隷属」
第9章 熾烈な「後ろ盾」競争、今なお
著者等紹介
山口真典[ヤマクチマサノリ]
日本経済新聞社編集局アジア部次長。1990年日本経済新聞社に入社、ソウル支局、政治部、ソウル支局長などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たかしくん。
6
最近韓国の批判ものが多いですが、北朝鮮の実態の悪さ加減は本当に情けないと言うしか無いです。しかし、その原因を辿れば、もしかしたら日本が分割されていたかも知れません。ゾッとします。2014/04/10
さとむ
5
どうしてクーデターや暴動が起きないのか。どうやってお金がまわっているのか。ずっと疑問だったことが、よくわかった。側近には手厚く、民衆は生かさず殺さず…。「政治犯」といっても、そのほとんどが単に「気にいらない人」なんだろうな。猜疑心による犠牲者。その数、二十万人という。2014/01/12
色々甚平
4
北朝鮮の地下資源が豊富が日本の植民地期は三菱、三井など財閥系企業が鉱物資源の採掘に乗り出して、インフラを整えていたという話は印象的。また資源は中国経由で中国名義に変えた状態で日本や韓国にも入ってきているということでもあるようだ。今後は中国との外交が鍵になってくるようだ。2018/04/13
BLACK無糖好き
4
著者は日本経済新聞社の元ソウル支局長。北朝鮮の経済に焦点を当て、国家体制の実情を浮き彫りにしています。表向きの「公式経済」とは別の非公式の「軍需経済」「王室経済」が体制を支えている。世界中に拠点を持ち、多くの貿易企業や金融機関を管理する「労働党39号室」が秘密資金の外貨を稼ぐ、麻薬や偽タバコ等も含まれる。庶民への配給制度はほぼ崩壊しており、政府公認の総合市場も広がりを見せる。格差拡大と賄賂の横行。病院でのまともな治療もカネとコネ次第。しかし指導者の体制維持の仕組みだけは盤石か(^^;;2015/11/12
えこ
3
北朝鮮について疑問に思っていた事が少しわかりました。 わかりやすかったです。2014/01/24