出版社内容情報
グローバル化が進み、各種の国際標準を自らが参加して創っていかねばならない状況になってきている。本書は、早くから積極的に国際標準化活動を進めてきた著者の成功・失敗事例を中心に、国際標準化を勝ち取るための進め方、ポイントを実体験に則し、わかりやすく解説していく。
目次
1 国際標準の重要性を認識し、危機感をもつべし!(そもそも国際標準とは何なのか?;では、国際規格はどうやって決まるのか? ほか)
2 国際規格づくりの事例―その成功と失敗(操作表示パネルに関する安全技術の標準化―失敗;安全スイッチに関する安全技術の標準化―失敗 ほか)
3 国際標準化活動のポイント(国際規格づくりの成功と失敗の差はなんだったのか;実体験で学んだ国際標準化活動のツボ ほか)
4 座談会:国際標準化―その10年前・現在・そして未来(NECAの国際標準化への取り組み成績―現在4勝6敗;10年前の国際標準化への意識と現在の変化 ほ)
5 寄稿:国際標準化に取り組むべき姿勢(Importance of International Standardization;国際標準化活動の重要性(日本語訳) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
閑居
14
本書は、バブル崩壊後の長い不況の中、国際標準という政治闘争に挑んだ技術者達の物語である。栗原一橋大教授が指摘するように、日本では規格はお上が決めるもの、という風潮が根強い。そんな風潮の中、1冊の著作を通じて産業界に一石を投じた経産省藤田氏と、それに応えて集った松下やオムロン等の技術者達。その慧眼と決意には感服する他ない。彼らが標準化の中で学んだ標準化の必要要件は次の5点だ。当該技術の高い認知度、討議の主導権、各国標準化委員とのコネ、標準提案時期の適切さ、先駆的であること。つまるところ、技術、政治、運だ。2020/08/29




