Essential細胞生物学 (原書第2版)

個数:

Essential細胞生物学 (原書第2版)

  • ウェブストアに在庫がございます。通常1-3日以内に発送いたします。
    ※在庫切れ等により、納期遅延やご入手不能となる場合も少数ながらございます。予めご了承ください。
    ※複数冊ご注文の場合は、1-3日以内に発送できない可能性がございます。
  • この商品は、国内送料無料でお届けします。
  • ※「帯」はお付けできない場合がございます。
  • サイズ A4判/ページ数 870p/高さ 28cm
  • 商品コード 9784524239276
  • NDC分類 463

出版社内容情報

《内容》 世界的に定評のある『Essential Cell Biology』の翻訳改訂版.最新知見はもとより,ゲノム,遺伝子の章を新たに追加した.本書の特色である「解明への手がかり(How We Know)」「問題」も増え,よりいっそう理解度が増すよう工夫された.基礎から応用まで,生命科学一般,分子生物,細胞生物学を学ぶ者にとって必携のテキスト.    

《目次》
【内容目次】
1 細胞とは
細胞の統一性と多様性
細胞は見かけも機能も驚くほど多彩である
細胞はみな化学的によく似ている
現存する細胞は同じ祖先から進化したと思われる
遺伝子は細胞の形,働き,複雑な行動を指令する
顕微鏡で見た細胞
光学顕微鏡の発明は細胞の発見につながった
細胞や細胞小器官,さらには分子までが顕微鏡で見える
原核細胞
原核生物は細胞のなかで最も多様である
原核生物は真正細菌と古細菌の2群(ドメイン)に分けられる
真核細胞
核は細胞の情報貯蔵庫である
ミトコンドリアは食物からエネルギーをつくり出し細胞の活動を支える
葉緑体は日光のエネルギーを捕らえる
細胞内膜により異なる機能をもつ細胞内区画がつくり出されている
細胞質ゾルは大小さまざまな分子を含む濃い水性ゲルである
細胞骨格は細胞の動きを方向づけている
細胞質は静止していない
真核細胞は捕食者が起源になったらしい
モデル生物
分子生物学は大腸菌を集中的に研究してきた
酵母は簡単な真核細胞である
シロイヌナズナは30万種の植物のなかからモデルとして選ばれた
動物界はハエと線虫とマウスとヒトが代表している
ゲノムの塩基配列を比べると生命に共通の遺産が明らかになる
2 細胞の化学成分
化学結合
細胞は比較的少ない種類の原子からできている
最外殻電子が原子間の相互作用を決める
イオン結合は電子のやりとりでつくられる
共有結合は電子を共有してつくられる
共有結合にはいろいろな強さのものがある
共有結合にはいくつかの種類がある
水は水素結合で集合している
極性分子には水中で酸や塩基となるものがある
細胞内の分子
細胞は炭素化合物からできている
細胞内の小分子のおもなものは4種類である
糖は細胞のエネルギー源であり,多糖の構成単位でもある
脂肪酸は細胞膜の成分である
アミノ酸はタンパク質の構成単位である
ヌクレオチドはDNAとRNAの構成単位である
細胞内の巨大分子
巨大分子の構成単位は特異的な配列をしている
非共有結合によって巨大分子の正確な形が決まる
非共有結合によって巨大分子は特定の分子と結合する
3 エネルギー,触媒作用,生合成
触媒作用と細胞のエネルギー利用
生物に見られる秩序の形成には,細胞からの熱エネルギーの放出が必要である
光合成生物は日光を利用して有機分子を合成する
細胞は有機分子を酸化してエネルギーを得る
酸化と還元に際しては電子が移動する
酵素は化学反応の障壁を低くする
反応が起こるかどうかは自由エネルギーの変化で決まる
ΔGと反応の方向は反応物の濃度によって変わる
平衡定数は分子間相互作用の強さを示す
連続して起こる反応では,自由エネルギーの変化を加算できる
速い拡散のおかげで酵素と基質がめぐり会える
VmaxとKMで酵素の性能を表す
活性型運搬体分子と生合成
活性型運搬体をつくる際にはエネルギー的に起こりやすい反応と組み合わせる
ATPは最もよく使われる活性型運搬体分子である
ATPに蓄えられたエネルギーは2個の分子の結合によく使われる
NADHとNADPHは重要な電子運搬体である
細胞内にはほかにも多くの活性型運搬体分子がある
生体高分子の合成にはエネルギーの投入が必要である
4 タンパク質の構造と機能
タンパク質の形と構造
タンパク質の形はアミノ酸配列によって決まる
タンパク質はエネルギー最小のコンホメーションに折りたたまれる
タンパク質はさまざまな複雑な形をとる
αヘリックスとβシートはタンパク質に普遍的に見られる折りたたみパターンである
生物体ではらせん構造が形成されやすい
βシートは多くのタンパク質の中心で強固な構造をつくる
タンパク質の構造はいくつかの階層に分けられる
理論的に可能なポリペプチド鎖のうち有用なものは限られる
タンパク質はファミリー(族)に分類できる
大型タンパク分子の多くは複数のポリペプチド鎖からなる
タンパク質が集まって線維やシートや球になる
長い線維状のタンパク質
細胞外のタンパク質は共有結合による架橋で安定化している
タンパク質の働くしくみ
タンパク質はほかの分子と結合する
抗体の結合部位はとりわけ融通性に富む
酵素は強力でかつきわめて特異性の高い触媒である
リゾチームを例に見る酵素の働き方
タンパク質に強く結合している小分子が特別な機能を付加する
タンパク質を調節するしくみ
酵素の触媒活性はほかの分子の調節を受けている
アロステリック酵素には相互に影響し合う2つの結合部位がある
リン酸化はタンパク質のコンホメーション変化を引き起こしその活性を調節する
GTP結合タンパクもまたリン酸基の付加と除去のサイクルにより調節されている
ヌクレオチドの加水分解がモータータンパクに大きな動きを生み出す
タンパク質はタンパク装置として機能する大型複合体をつくる
タンパク質の構造と機能の大規模な研究が行われ,発見が加速されている
5 DNAと染色体
DNAの構造と機能
DNA分子は2本の相補的なヌクレオチド鎖でできている
DNAの構造自体に遺伝のしくみの鍵がある
真核生物の染色体構造
真核生物DNAは染色体に詰め込まれている
染色体には遺伝子が一列に長く並んでいる
染色体は細胞周期に応じて異なった状態で存在する
間期の染色体は核内に整然と配置されている
染色体のDNAは高度に凝縮されている
ヌクレオソームがクロマチン構造の基本単位である
染色体のDNAは何段階にも折りたたまれている
間期の染色体には凝縮したクロマチンと凝縮度の低いクロマチンが共存する
ヌクレオソーム構造が変化するとDNAに近づきやすくなる
6 DNAの複製,修復,組換え
DNA複製
DNA複製ができるのは塩基対形成のおかげ
DNA合成は複製起点から始まる
新しいDNAの合成は複製フォークで起こる
複製フォークは非対称である
DNAポリメラーゼは誤りを自分で校正する
短いRNAがDNA合成のプライマーとなる
複製フォークでは,複数のタンパク質が協調して複製装置を形成する
真核生物染色体の末端はテロメラーゼが複製する
DNA複製は比較的よく解明されている
DNA修復
変異は生物に深刻な影響をおよぼすことがある
DNAの誤対合修復系が,複製装置で校正され損なった複製の誤りを取り除く
DNAは細胞内でたえず損傷を受けている
遺伝子が安定なのはDNA修復のおかげである
DNAは忠実に維持されるので,類縁種のタンパク質は配列がよく似ている
DNA組換え
相同組換えによって,遺伝情報が厳密に交換される
相同ではないDNA配列の間でも,組換えが起こる
動く遺伝因子には,移動に必要な成分の情報が書き込まれている
ヒトのゲノムの大部分は2群の転移因子からなる
ウイルスは細胞から離脱できる完全な動く遺伝因子である
レトロウイルスは遺伝情報を逆流させる
7 DNAからタンパク質へ―細胞がゲノムを読み取るしくみ
DNAからRNAへ
DNA塩基配列の一部がRNAに転写される
転写では,DNAの一方の鎖に相補的なRNAをつくる
細胞では数種類のRNAがつくられる
DNA内に,RNAポリメラーゼの転写開始と終結の場所を指示するシグナルがある
真核生物のRNAは,核で転写されると同時に加工される
真核生物の遺伝子は非コード配列で分断されている
イントロンはRNAスプライシングで除去される
真核生物では成熟mRNAを選んで核から運び出す
働き終わったmRNA分子は細胞内で分解される
最初期の細胞にはイントロンがあったらしい
RNAからタンパク質へ
mRNAの塩基配列はヌクレオチド3個ずつの組み合わせとして読み取られる
tRNA分子がmRNAのコドンとアミノ酸を結びつける
特異的な酵素がtRNAに正しいアミノ酸を結びつける
RNAの指令はリボソームで解読される
リボソームはリボザイムの一種である
mRNAのコドンがタンパク合成の開始点と終止点を指示する
タンパク質はポリリボソームで合成される
原核生物のタンパク合成阻害剤は抗生物質として利用される
細胞内のタンパク量の調整には,タンパク分解の制御が役立っている
DNAからタンパク質ができるまでにはいくつもの段階がある
RNAと生命の起源
生命には自己触媒が必要である
ポリヌクレオチドは情報を保存できるうえに化学反応を触媒できる
進化の過程ではDNAより先にRNAが活躍しただろう
8 遺伝子発現の調節
遺伝子発現のあらまし
多細胞生物の細胞は種類が違っても存在するDNAはまったく等しい
細胞の種類が違うと,つくるタンパク質の組み合わせが違う
細胞は外部からのシグナルに応じて遺伝子の発現を変化させる
遺伝子の発現調節は,DNAからRNAを経てタンパク質に至る経路のいろいろな段階で行われる
転写のスイッチの働くしくみ
転写の調節は,DNAの調節配列に結合するタンパク質が行う
リプレッサーは遺伝子をオフに,アクチベーターは遺伝子をオンにする
アクチベーターとリプレッサーがlacオペロンを制御する
真核生物遺伝子の転写開始は複雑である
真核生物のRNAポリメラーゼは転写基本因子を必要とする
真核生物の遺伝子調節タンパクは遠くからでも遺伝子を調節する
プロモーターDNAがヌクレオソームに凝縮すると,転写の開始に影響が現れる
特定の細胞型をつくり出す分子機構
真核生物の遺伝子は複数のタンパク質の組み合わせによって調節されている
1個のタンパク質で,異なる遺伝子の発現を協調させることができる
組み合わせ調節によって多様な細胞がつくられる
遺伝子発現の安定したパターンは娘細胞へと受け継がれる
1個の遺伝子調節タンパクが器官全体を形成する引き金となり得る
9 遺伝子とゲノムの進化
遺伝的変動の生成
おもに5種類の遺伝的変化が進化に寄与する
DNAの複製と維持の機構がうまく働かないとゲノムの変化が引き起こされる
DNA重複によって1つの細胞内に類縁遺伝子のファミリーが生まれる
グロビン遺伝子ファミリーの進化からDNA重複が生物の進化に寄与するようすがわかる
遺伝子の重複と分岐によって遺伝的斬新さが生まれ,生物が進化する
同一エキソンの繰り返しで新しい遺伝子ができることがある
エキソンの混ぜ合わせが新たな遺伝子を生じることもある
ゲノムの進化は転移因子の移動によって加速されてきた
遺伝子は水平伝播によって生物間で交換されることがある
生命の系統樹の再構築
生物を選択上有利にする遺伝的変化は保存されやすい
2種の生物種のゲノム塩基配列の違いは,両者が別々に進化してきた期間の長さに比例する
ヒトとチンパンジーのゲノムでは塩基配列だけでなく編成もよく似ている
重要機能をもつ塩基配列はDNA内でまとまって保存される
ゲノムの比較から“ジャンク(がらくた)DNA”はなくてもよいことが示唆される
進化上極端に離れた類縁関係さえも,塩基配列の保存によって追跡できる
ヒトゲノムの解読
ヒトゲノムの塩基配列が示すヒト遺伝子の編成
ヒトゲノム内の遺伝的変動が個性を生み出す
ヒトのDNAと関連生物のDNAとの比較がヒトゲノムの解明に役立つ
ヒトゲノムには未解読情報が多量に含まれている
10 遺伝子と細胞の操作
細胞の単離と培養
組織から均一な細胞集団が得られる
細胞は培養器の中で増殖できる
真核生物の細胞を培養維持するには特別な問題がある
DNA分子の分析法
制限酵素はDNA分子を特異的な部位で切断する
大きさの異なるDNA断片をゲル電気泳動で分ける
DNA断片の塩基配列を決定する
ゲノム塩基配列を検索して遺伝子を同定する
核酸のハイブリッド形成
DNAハイブリッド形成を用いて遺伝病の診断ができる
DNAマイクロアレイ上でのハイブリッド形成で数千種もの遺伝子の発現を一度に調べる
in situハイブリッド形成法で細胞内あるいは染色体上にある特定の核酸塩基配列の所在を突き止める
DNAクローニング
DNAリガーゼはDNA断片をつなぎ合わせ,組換えDNA分子をつくる
組換えDNAを細菌細胞の内部で増やす
DNAをクローニングする際に特殊なプラスミドベクターを利用する
ヒトの遺伝子をDNAクローニングで単離する
cDNAライブラリーは個々の組織がつくるmRNAに対応する
ポリメラーゼ連鎖反応で特定のDNA塩基配列を選択的に増幅できる
DNA操作
まったく新しいDNA分子をつくり出す
クローニングしたDNAを使って細胞内の微量タンパクを大量に生産する
操作した遺伝子から遺伝子の発現時期と部位がわかる
変異生物は遺伝子の機能を最もよく表現する
遺伝子改変動物をつくる
遺伝子導入植物は,細胞生物学にとっても農業にとっても重要である
11 膜の構造
脂質二重層
膜の脂質は水中で二重層を形成する
脂質二重層は二次元の流動体である
脂質二重層の流動性はその構成成分によって決まる
脂質二重層は非対称である
脂質分布の非対称性は細胞内で生み出される
膜タンパク
膜タンパクの脂質二重層への結合はさまざま
二重層を横断しているポリペプチド鎖はαヘリックスであることが多い
膜タンパクは界面活性剤によって可溶化し,精製できる
全構造が解明された膜タンパクは数少ない
細胞膜は細胞皮層により強化されている
細胞表面は炭水化物で覆われている
細胞は膜タンパクの移動を限定できる
12 膜輸送
膜輸送の原理
イオン濃度は細胞内と細胞外で大きく異なる
脂質二重層は溶質やイオンを通さない
膜輸送タンパクは運搬体とチャネルの2種類に分けられる
溶質の膜透過に受動輸送と能動輸送がある
運搬体タンパクとその機能
濃度勾配と電気的な力により受動輸送が起きる
能動輸送では溶質は電気化学的勾配に逆らって輸送される
動物細胞はATP加水分解のエネルギーを使ってNa↑+を細胞外に運び出す
Na+-K+ポンプはリン酸基の一時的な付加により駆動される
動物細胞はNa+勾配を使って栄養物を能動的に取り込んでいる
Na+-K+ポンプは動物細胞の浸透圧調節にかかわっている
細胞内のCa2+濃度はCa2+ポンプにより低く維持されている
植物や菌類,細菌ではH+勾配が膜輸送の駆動力として使われている
イオンチャネルと膜電位
イオンチャネルはイオン選択性をもち,しかもゲートを備えている
イオンチャネルは開と閉の状態をランダムに切り替えている
各種の刺激がイオンチャネルの開閉に影響を与える
電位依存のイオンチャネルは膜電位に反応する
膜電位は特定のイオンに対する膜の透過性によって調節される
神経細胞のイオンチャネルとシグナル伝達
活動電位により長距離にわたり迅速に情報が伝えられる
活動電位は電位依存Na+チャネルにより伝搬される
電位依存Ca2+チャネルは神経末端で電気シグナルを化学シグナルに変換する
標的細胞の神経伝達物質依存チャネルが化学シグナルを電気シグナルに再変換する
ニューロンが受け取る入力には興奮性と抑制性がある
伝達物質依存チャネルは向精神薬のおもな標的である
シナプス接続により思考や行動や記憶が可能になる
13 細胞が食物からエネルギーを得るしくみ
糖と脂肪の分解
食物分子は3段階で分解される
解糖はATP生成の中心的経路である
発酵では酸素なしでATPが生産できる
解糖をみると,酸化とエネルギー貯蔵を酵素が共役させるしくみがわかる
糖と脂肪はミトコンドリアで分解されてアセチルCoAになる
クエン酸回路では,アセチル基をCO2に酸化してNADHをつくる
ATPのほとんどが電子伝達によって合成される
食物の備蓄と利用
生物は食物分子を特別なかたちで蓄える
植物細胞では葉緑体とミトコンドリアが協力している
多くの生合成経路は解糖系かクエン酸回路を出発点とする
代謝は整然と制御されている
14 ミトコンドリアと葉緑体におけるエネルギー生産
細胞はそのエネルギーの大半を膜に配置された系を使って得ている
ミトコンドリアと酸化的リン酸化
ミトコンドリアには外膜,内膜および2つの内部区画がある
高エネルギー電子はクエン酸回路でつくり出される
化学浸透過程で酸化エネルギーがATPに変換される
電子はミトコンドリア内膜にある一連のタンパク質を経て運ばれる
電子伝達により膜をはさんだプロトン勾配が生じる
プロトン勾配はATP合成を駆動する
ミトコンドリア内膜を通す共役輸送は電気化学的プロトン勾配によって駆動される
細胞のATPの大半はプロトン勾配によってつくられる
細胞内のATP:ADP比はミトコンドリアでの素早いADPからATPへの変換によって高い値を維持している
電子伝達系とプロトンのくみ出し
プロトンは電子伝達により容易に移動する
酸化還元電位は電子に対する親和性を示している
電子伝達により大量のエネルギーが放出される
タンパク質に強く結合している金属が多様な電子運搬体として働く
シトクロム酸化酵素は酸素の還元反応を触媒する
H+ポンプの作用機構はまもなく原子レベルでわかるようになるだろう
呼吸は驚くほど効率が高い
葉緑体と光合成
葉緑体はミトコンドリアに似ているが,区画が1つ余分にある
葉緑体は太陽光のエネルギーを捕捉して炭素固定に使う
励起状態のクロロフィル分子はエネルギーを反応中心に集める
光エネルギーがATPとNADPHの合成を駆動する
炭素固定はリブロースビスリン酸カルボキシラーゼが触媒する
葉緑体での炭素固定からスクロースやデンプンがつくられる
ミトコンドリアと葉緑体の起源
酸化的リン酸化は,古代の細菌の進化にとって有利に働いた
光合成細菌は周囲の環境に頼る部分がさらに少なかった
メタン細菌の生活形態をみると化学浸透共役の起源が古いことがわかる
15 細胞内区画と細胞内輸送
膜で囲まれた細胞小器官
真核細胞には膜で囲まれた細胞小器官の基本セットがある
細胞小器官にはそれぞれ異なる進化の道すじがある
タンパク質の選別
タンパク質を細胞小器官に運び込む方法は3つある
シグナル配列がタンパク質を適切な区画へ誘導する
タンパク質は核膜孔を通って核内に運び込まれる
ミトコンドリアや葉緑体に輸送されるタンパク質は構造をほどく
タンパク質は合成されながら小胞体に取り込まれる
水溶性タンパクは小胞体内腔に放出される
輸送開始と輸送停止のシグナルが脂質二重層内での膜貫通タンパクの配置を決める
小胞による輸送
輸送小胞は区画間での水溶性タンパクと膜の輸送にかかわる
小胞の出芽はタンパク質の被覆分子の集合によっている
小胞の特異的融合はSNAREの働きによる
分泌経路
ほとんどのタンパク質は小胞体で共有結合による修飾を受ける
小胞体からの搬出の調節がタンパク質の品質を保証する
ゴルジ体ではタンパク質の修飾と選別がさらに進められる
分泌タンパクはエキソサイトーシスにより細胞から放出される
エンドサイトーシス経路
食細胞はもっぱら大型粒子を摂取する
液体と巨大分子は飲作用により取り込まれる
動物細胞では受容体を介したエンドサイトーシスが特定経路として働いている
エンドサイトーシスによって取り込まれた巨大分子はエンドソームで選別される
細胞内消化はおもにリソソームで行われる
16 細胞の情報伝達
細胞間シグナル伝達の一般原理
シグナルは長距離でも短距離でも活躍する
細胞は特定の組み合わせのシグナルに応答する
受容体は細胞内シグナル伝達経路を介してシグナルを伝達する
一酸化窒素は細胞膜を透過し酵素を直接活性化する
細胞膜を透過し細胞内受容体と結合するホルモンもある
細胞表面にある受容体は3種類に大別される
イオンチャネル連結型受容体は化学シグナルを電気シグナルに変換する
多くの細胞内シグナルタンパクは分子スイッチとして働く
Gタンパク連結型受容体
Gタンパク連結型受容体が刺激されるとGタンパクのサブユニットが活性化する
Gタンパクにはイオンチャネルの調節を行うものがある
膜に結合している酵素を活性化するGタンパクもある
環状AMPのかかわる経路は酵素を活性化し,遺伝子を発現させる
イノシトールリン脂質経路は細胞内Ca2+濃度を上昇させる
Ca2+シグナルは生物のさまざまな反応過程の引き金となる
細胞内シグナル伝達系の速度,感度,適応性は非常に高い:目の光受容器での例
酵素連結型受容体
活性化された受容体チロシンキナーゼは細胞内シグナルタンパクの複合体を形成する
受容体チロシンキナーゼはGTP結合タンパク,Rasを活性化する
酵素連結型受容体には核への直通経路を活性化するものがある
タンパクキナーゼのつくる連絡網は情報を総括して細胞の複雑な挙動を調節している
多細胞化と細胞間相互連絡は,植物と動物では独自の進化を遂げてきた
17 細胞骨格
中間径フィラメント
中間径フィラメントは強くてロープ状
中間径フィラメントは,細胞に機械的な力に耐えられる強度をもたせる
核膜は中間径フィラメント網で支えられている
微小管
微小管は両端の構造が異なる中空の管である
動物細胞では中心体が微小管形成の中心となる
伸長する微小管は動的不安定を示す
微小管は会合と解離の均衡の上に維持されている
微小管は細胞内部構造の秩序を保つ
モータータンパクが細胞内輸送を行う
細胞小器官は微小管に沿って動く
繊毛と鞭毛はダイニンで動く安定な微小管を含む
アクチンフィラメント
アクチンフィラメントは細くて柔軟である
アクチンとチューブリンは似たしくみで重合する
いろいろなタンパク質がアクチンに結合しその特性を変える
ほとんどの真核細胞の細胞膜の直下にはアクチンに富んだ皮層がある
細胞はアクチンを使ってはい回る
アクチンはミオシンとともに収縮装置をつくる
細胞外シグナルがアクチンフィラメントの並び方を制御している
筋収縮
筋収縮はアクチンとミオシンの束によって起こる
筋収縮のときにはアクチンフィラメントがミオシンフィラメントに対して滑る
筋収縮はCa2+の急激な増加によって始まる
筋細胞は生体で高度に専門化した機能を果たしている
18 細胞周期と細胞死
細胞周期の概要
真核細胞の細胞周期は4つの時期に分けられる
細胞周期のおもな過程を進行させる制御系
細胞周期制御系
細胞周期制御系は周期的に活性化するタンパクキナーゼに依存している
サイクリン依存タンパクキナーゼはサイクリンの蓄積と分解によって制御されている
Cdkの活性はリン酸化と脱リン酸化によってさらに調節されている
細胞周期の異なる段階の引き金を引くのは異なるサイクリン‐Cdk複合体である
S-CdkはDNA複製を開始させ,再複製を阻止する
CdkはG1期の間ほとんど不活性である
細胞周期制御系は周期を特定のチェックポイントで停止させる
細胞は,細胞周期制御系を分解して細胞周期から離脱できる
プログラム細胞死(アポトーシス)
アポトーシスは細胞内のタンパク分解反応系を介して起こる
死のプログラムは細胞内タンパクのBcl-2ファミリーにより調節されている
細胞外から細胞数と細胞の大きさを制御する
動物細胞は,分裂,成長,生存に細胞外シグナルを必要とする
分裂促進因子が細胞分裂を促進する
細胞外増殖因子は細胞の成長を促進する
動物細胞はアポトーシスを防ぐために生存因子を必要とする
細胞外シグナルタンパクには,細胞の成長,分裂,生存を阻害するものがある
19 細胞分裂
M期の概観
M期に入る前にDNA結合タンパクが複製後の染色体の形を整えて分離に備える
有糸分裂も細胞質分裂も細胞骨格の働きで起こる
中心体が複製して有糸分裂紡錘体の2つの極を形成する
M期は習慣上6段階に分けている
有糸分裂
微小管の不安定な性質が紡錘体形成に役立つ
紡錘体の集合は前期に始まる
前中期には染色体が紡錘体に付着する
中期には染色体が紡錘体の赤道面に並ぶ
娘染色体は後期に分離する
終期に核膜が再形成される
いくつかの細胞小器官は有糸分裂期に分散する
細胞質分裂
紡錘体が細胞質分裂の起こる分割面を決める
動物細胞の収縮環はアクチンとミオシンでできている
植物細胞の細胞質分裂では新たな細胞壁が形成される
配偶子は特別な細胞分裂によってつくられる
20 遺伝学,減数分裂と遺伝の分子機構
性の恩恵
有性生殖には二倍体細胞と一倍体細胞が関与する
有性生殖のおかげで生物は競争で有利になる
減数分裂
一倍体生殖細胞は減数分裂によって二倍体細胞からつくられる
減数分裂には染色体の対合という特殊な過程がある
母方染色体と父方染色体の間には多数の組換えが起こる
染色体の対合と組換えを経て相同染色体は適正に分離する
減数分裂の第2分裂で一倍体の娘細胞ができる
減数分裂の際に遺伝情報が大きく再編されて一倍体細胞に入る
減数分裂には弱点もある
受精で完全なゲノムが再構築される
メンデルと遺伝の法則
メンデルは研究にあたって独立して伝わる形質を選んだ
メンデルはほかの遺伝理論を論破できた
メンデルの実験は遺伝がもつ分離という特性を初めて明らかにした
配偶子は各形質について1個の対立遺伝子をもっている
メンデルの分離の法則は有性生殖をする生物すべてに応用できる
異なる形質の対立遺伝子は独立して分離する
メンデルの遺伝法則の背景には減数分裂での染色体の振る舞いがある
組換えの頻度を使って染色体上の遺伝子の並び順を知ることができる
ヘテロ接合体の表現型から対立遺伝子の優性・劣性が明らかになる
変異した対立遺伝子が選択で有利に働くことがある
実験手段としての遺伝学
古典的手法はランダムな変異誘発から始める
遺伝子スクリーニングによって細胞内の過程に欠損のある変異体を見つける
相補性試験で2つの変異が同一遺伝子にあるかどうかを知る
ヒトの遺伝子はハプロタイプとよばれるブロックとして伝わるので,これを利用して変異を探すことができる
複合形質は複数の遺伝子に影響を受ける
運命はDNAに書かれているのだろうか
21 組織の成り立ちとがん
細胞外マトリックスと結合組織
植物細胞には強靱な外壁がある
植物の細胞壁はセルロース繊維のおかげで引っ張り強度が大きい
動物の結合組織の大部分は細胞外マトリックスである
動物の結合組織の引っ張り強度を高めているコラーゲン
分泌コラーゲンを細胞が組織化する
インテグリンが細胞外マトリックスと細胞内の細胞骨格を結合させている
多糖類とタンパク質のゲルが空間を埋め,圧縮に対抗する
上皮層と細胞間結合
上皮層には極性があり,基底膜にのっている
密着結合が上皮の漏れを防ぎ,頂端面と基底面を隔てている
細胞骨格とつながった結合が上皮の細胞間の強い結合と基底膜との強固な結びつきを形成する
ギャップ結合を通してイオンや小分子が細胞から細胞へと移動する
組織の維持と更新
組織はいろいろな種類の細胞が混じった構造をしている
異なる組織は異なる速さでつくり替えられる
幹細胞は最終分化した細胞をつくり続ける
幹細胞は損傷組織の修復に利用できる
核移植によって個人に合わせたES細胞をつくり出す方法がある:治療目的のクローニング戦略
がん
がん細胞は増殖し,浸潤し,転移する
疫学によって発がんの原因を同定し回避を考える
がんは変異の集積で生じる
がんは競争に有利さをもたらす性質を発達させる
がんに深くかかわるさまざまな遺伝子
遺伝子1個の欠失で腫瘍の増殖がもたらされるしくみを示す大腸がん
がん細胞の理解が新しい治療法を生む