出版社内容情報
東南アジア諸国の経済発展と金融システムの関係を、長期資金との関係を中心に多面的に考察。東南アジア金融統計に関するデータベースを巻末に掲載。
内容説明
本書は、東南アジアを対象に金融システムと経済発展の関係を検討したものです。タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシアを対象として、最新の金融制度理論を分析の背景に置くとともに、独自に推計された長期金融統計に基づいて実証的に検討しています。本書の根底には1つの基本的な仮説があります。それは経済発展においてはいかなる形であれ資金の期間変換の問題があり、それをいかに解決するかという問題が経済発展と金融システムの基本的な問題として存在するのではないかということです。近年のアジア危機の最大の教訓は、経済発展のための資金を短期性の海外資金に依存した経済の脆弱性であったと考えられます。そのため本書では、重点の置き方こそ異なるものの、各章とも設備投資行動とその資金調達とくに長期性資金の問題を共通の作業仮説としています。
目次
東南アジアの金融発展―共通性・多様性と東北アジアとの対比
第1部 東南アジアの金融発展―概観(戦後タイの金融部門の形成;インドネシア金融部門の発展と金融政策;マレーシアの金融発展;フィリピンの金融制度改革)
第2部 資金調達と長期資金―推計(タイ―未成熟な負債ファイナンスの下での長期資金;マレーシア企業の資金調達とコーポレート・ガバナンス―金融危機の国内的要因;エージェンシー理論によるフィリピン企業の資本構造の検討―企業属性を考慮した製造業企業の負債比率の推計)
第3部 東南アジア金融基礎データベース
著者等紹介
寺西重郎[テラニシジュウロウ]
日本大学商学部教授
福田慎一[フクダシンイチ]
東京大学大学院経済学研究科教授
奥田英信[オクダヒデノブ]
一橋大学大学院経済学研究科教授
三重野文晴[ミエノフミハル]
神戸大学大学院国際協力研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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