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創元推理文庫
タイタス・アウェイクス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488534103
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

著者亡きあと夫人が遺されたアイディアをもとに書き上げたのが本書。ファンタジー界のディケンズに例えられる、幻想文学の最高峰〈ゴーメンガースト〉幻の最終刊ついに刊行。

内容説明

“ゴーメンガースト”はもともと三部作として構想されたものではなかった。著者は第四部を構想しアイディアを遺していた。夫亡きあと、夫人が書き上げた。故郷を離れたタイタスは彷徨を重ねる。奇矯な人々に出会い、様々な出来事に遭遇するも、安住の地を見いだせず、終わりなき探索を続けるタイタス。ディケンズに譬えられる、幻想文学の最高峰シリーズ幻の最終刊刊行。

著者等紹介

ピーク,マーヴィン[ピーク,マーヴィン] [Peake,Mervyn]
1911年、中国で生まれた。国籍はイギリス。1923年にイギリスに戻り、絵本Captain Slaughterboard Drops Anchorを出版。その後数多くの幻想怪奇小説の挿絵を描いた。第二次世界大戦後、“ゴーメンガースト”三部作の執筆に精力を傾注。四作目のための覚書を残して1963年に病死した

ギルモア,メーヴ[ギルモア,メーヴ] [Gilmore,Maeve]
1917年生まれ。イギリスの画家、彫刻家で作家。1937年にマーヴィン・ピークと結婚。亡き夫が残したわずかな覚書をもとに“ゴーメンガースト”三部作の続編『タイタス・アウェイクス』を執筆。1983年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ノコギリマン

41
ついに読み終わってしまった。これでゴーメンガーストワールドともオサラバかー、哀しい。なのに、物語自体は終わっていない。そもそもタイタスが「物語」から逃避するための物語になっている。タイタスは流浪の果てで、何かにたどり着けるのだろうか? 堪能しました。大大大オススメ!!!!!2015/07/11

KAZOO

14
むかしゴーメンガースト三部作を読んで、えらく長い小説で読めるかなあと感じたけれどいつの間にか読んでしまったことを思い出しました。今回はその後書いた本人の奥さんが主人公のタイタスのその後をご主人の草稿をもとにして書かれたものだという事です。ほかの本に比べて短いのですが、主人公が犬と一緒に彷徨を続けていきます。訳者も前回とは異なっていますが読みやすさは変わりません。2014/06/27

星落秋風五丈原

6
タイタスは他人と普通に接することができない。身分も財産も全て捨ててまっさらの状態になった悩める主人公、妊娠させた女性を途中で捨てたりしているのに女性によくモテる。「きみのところにしばらくやっかいになりたいと思うけれど、ぼくの性質からして、そのうちまた出ていく。きみにはわがままだと思われるだろうけれど、出てゆくときには、きっときみのことも傷つける。」あんたジゴロか。ここまで女性が優しいのは本作から女性作家になったことと関係があるのか、もともと彷徨の物語である本作で、女性に癒しのイメージを託したのか。2014/07/18

uni

6
まさかのゴーメンガースト三部作の続編が出るということで発売前から落ち着かない日々でした。更に既刊三巻も浅野さんの装画で新装されたので、迷わず購入。作者ピークの構想を元に夫人が書き綴ったこの最終巻。書いてる人間も翻訳者も違うので世界観を突き詰める様な読み方は初めからするつもりはありませんでした。一つの作品としてとても精神的で素晴らしい作品です。タイタスがその人生を削ぎ落としすり減らしてまで逃げているものの正体は不明瞭ですが、何故か共感できてしまう。切り捨て振り切る側の人間の放浪の書。2014/06/24

スターライト

5
ピークが遺した遺構やメモを元に、ピーク没後に妻のギルモアが書きついだ「第四部」。しかし三部作ほどの活劇や人間模様が展開されるわけではなく、いくつかの出会いをタイタスは経験するもののそれまでの繰り返しの感は否めない。画家を登場人物にしたのは、自らが画家だったので書きやすかったのか。船に乗って到着したところは故郷であることがほのめかされ、まさに「すべての道はゴーメンガーストに通ず」の展開。欲を言えば、帰郷後のタイタスの冒険(伯爵=為政者としての物語)も読んでみたかった。2019/08/17

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