出版社内容情報
近藤史恵〈ビストロ・パ・マル〉シリーズ最新作をはじめ、奥田亜希子や渡邊利道など新作読切を多数掲載。
奥田亜希子ほか[オクダアキコホカ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつ
14
柚木、笹野両探偵(柚木はの職業はフリーライターだが)は、確立したスタイルに乗った安定の面白さ。近藤作品は、日本におけるフランス料理の受容から植民地食文化の支配国での変容に話題が及ぶ。七河作品は『刹那の夏』という魅力的な題。ボトルシップの船の代わりに入れられた書物とその断片の言葉、海辺の町の少年たちとリーダー格の少女との交流、小島に取り残された語り手の少年と少女のもとに襲いくる津波の恐怖(奇しくも読了日は3月11日)、残されたメモの不思議な言葉の連なり、などに、さらに事件を入れる必要はあったのかは疑問。➡️2023/03/11