J・G・バラード短編全集 〈4〉 下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネデ

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  • サイズ B6判/ページ数 416p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010614
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

『結晶世界』『ハイ・ライズ』などの傑作群で、叙事的な文体で20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を五巻に集成。第四巻には自伝的要素が色濃く投影された本邦初訳作「Dead Time」や発表時に多大な衝撃をもたらした濃縮小説「下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件」など21篇を収録。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねりわさび

46
発表直後に初版裁断というレーガンにまつわる問題作や剥製にされた女との恋、太陽の帝国の習作である半自伝的短編が印象深い。ヴァーミリオンサンズの世界観による短編も多く収録されていて、白日夢のような風景を描いた短編集として興味深く読み終わりました。2020/04/29

澤水月

26
柳下毅一郎訳の死亡した宇宙飛行士にうっとり…太陽の帝国の原案で上海の収容所体験だが死体と過ごす幻想譚の死者の刻、雲を彫刻コーラルDなど最高。そしてバラード印!濃縮小説キター!下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件は2p半。どうして私はロナルド・レーガンをファックしたいのかが3p。残虐行為展覧会絶版がやっと一般に読め嬉しい。ただウエーク島…は素晴らしいが最終都市の訳文は正直難儀、クラッシュもハイライズも萌芽見えるのに故野口幸夫氏のクセが…いや知ってましたがバラードでないみたい2017/11/07

vaudou

10
今巻の読みどころは、いずれも「残虐行為博覧会」から収録された表題作、そして「どうしてわたしはロナルド・レーガンをファックしたいのか」の二編だろう。濃縮小説の到達点。意図した猥褻と言い切る逸話ふくめ凄い。カエアンぽい「風にさよならをいおう」、美術趣味と飛行への夢が渾然となる「コーラルDの雲の彫刻師」と美しく儚い傑作も収録。先の刊行記念トークショーでの、「ポップカルチャー性」(本国ではクラッシュに触発された展覧会も開かれているし、「太陽の帝国」は戦後文学のヒット作)でバラードを解釈するという話が興味深かった。2018/02/18

ろびん

8
掌編が良いな……。 さて、5巻発売まで待機。2018/01/21

渡邊利道

7
濃縮小説から自伝まで、でもやはり一番印象に残るのは飛行、飛行機に関するイメージと愛情だ。『残酷行為展覧会』所収の短編がごく少数しか入っていないのはあれらは短編ではなく本のピースだということだろうか。というか、他にも邦訳されているのに収録されていない短編があるようで、どういう基準の「全短編」なのだろう。とはいえ、作品はどれも面白い。死亡した宇宙飛行士ってブラッドベリへのオマージュなんだろうなあとか、いろいろ思ったりした。2018/02/22

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