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北京から来た男〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488010317
  • NDC分類 949.83
  • Cコード C0097

出版社内容情報

殺人現場で見つけた手記。それは1860年代のアメリカで書かれたものだった。中国、アメリカ、スウェーデン、現代の予言者マンケルによるミステリを超えた金字塔的大作。

内容説明

殺人現場となった母の実家を訪れたビルギッタは、密かに数冊の日記を持ち出した。その中に記された“ネヴァダ”の文字が目に飛びこんできたからだ。それはスウェーデンの寒村で起きたのと似た血塗られた事件があった土地。日記は1860年代に書かれており、アメリカ大陸横断鉄道敷設工事の現場監督が残したものだった。貧しさにあえぐ19世紀の中国の寒村、西部開拓時代のアメリカ、そして発展著しい現代の中国、アフリカ―。現代の予言者マンケルによる、ミステリを超えた金字塔的作品。

著者等紹介

マンケル,ヘニング[マンケル,ヘニング] [Mankell,Henning]
1948年生まれ。作家、舞台監督、劇作家。“刑事ヴァランダーシリーズ”の第1巻『殺人者の顔』でガラスの鍵賞を、第5巻の『目くらましの道』でCWA賞のゴールドダガーを受賞、他に児童書やエッセイなども書く、人気実力ともに北欧ナンバーワンの作家である。夫人はスウェーデン映画の巨匠ベルイマンの娘エヴァで、現在スウェーデンとアフリカのモザンビークに半分ずつ居住している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

87
もう少し最初の事件が関連するのかと思いきや、中国の関係がかなり書かれていて話がそちらの方へ行ってしまいました。最近見た映画の「チャイルド44」みたいなのを期待したのですが、確かに闇は闇なのですが、ヴァランダーシリーズのようなミステリー感はあまり期待できませんでした。訳は結構良かっただけに内容のほうが今一つという感じです。2015/07/09

紅はこべ

50
復讐というのは古来から文学の重要なテーマの一つだが、これ程時をかけた壮大な復讐計画は初めて読んだ。しかも復讐者に共感を抱けない、理不尽さを感じるのも珍しい。最近のミステリでは、年配の主人公が過去を振り返り、自分探しをするというのが目に付くが、この作品もその一つか。世界的に、全年代的に流行ってるのね、自分探し。若者の特権じゃないんだ。スウェーデンの若者でかつて左翼が流行っていたとは。色々学ぶべき事がが多い本だった。2015/02/19

*maru*

42
下巻は北京からアフリカへ。不可解な出来事や不気味な気配が渦巻く北京へ降り立ったビルギッタ。権力とアイロニーに満ちた歴史大国は変化の時を迎えていた。正直難しかった。中国やアフリカの歴史やその背景に対しての知識がもっとあったなら…読み終えても不安や恐怖が消えることがなく、むしろむくむくと膨れ上がるようなこの余韻を心から堪能できない自分の脳ミソを恨めしく思う。上巻でテンションが上がりすぎしまったのでミステリとしてだけ見れば物足りなさが残るが、スケールも大きく骨太でとても読み応えがあった。いつか再読したい。2019/05/10

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

36
怖かったー!話が拡がり続けてどこまで行くのか、とは思ったが、巨大な悪と小さな一人との対決というマンケル氏得意のストーリー。大量殺人事件の動機などは、自分にはストンと来なかったが、常に社会情勢を組み込んだ作品を書くマンケル氏のおかげで、またひとつ勉強になったのだ。亡くなってしまって本当に残念である。訳者後書きを読むと、生前は精力的に執筆されて、殆ど旅行や休暇もとらないまま仕事をしていた、という。何となくミレニアム作者を思い出してしまった。もっともっと読みたかった。2015/10/12

hanchyan@飄々 

33
承前、派手な出来事特別なことは何一つ起こってはいないのにも拘らず、息が詰まり身を切られるような切迫感。その秀逸なことと言ったら!往きて還ってきた“はず”のビルギッタが感じた恐怖、それは単純な身体的生理的な危険への忌避感ではなく、還ってきた自らの安らげる場所が、実は得体のしれない深刻ななにかが進行している遠くのどこかと地続きで繋がっているのだと知ってしまった故の虞ではなかったか。社会との接点(家庭であり職場)で責任と充実感を感じふとつつ自らの来し方行く末に思いをはせる年代を主人公に据えたのが上手い。傑作。2016/01/13

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