出版社内容情報
スウェーデンの小さな村でその惨劇は起きた。村のほぼ全ての家の住民が惨殺されたのだ。老人ばかりの過疎の村が、なぜ？ 北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケル渾身の大作。
内容説明
凍てつくような寒さの未明、スウェーデンの小さな谷間の村でその惨劇は起きた。ほぼ全ての村人が惨殺されていたのだ。ほとんど老人ばかりの過疎の村が、なぜ？休暇中のヘルシングボリの女性裁判官ビルギッタは、亡くなった母親が事件の村の出身であったことを知り、ひとり現場に向かう。事件現場に落ちていた近くの中国料理店の赤いリボン、ホテルの防犯ビデオに映っていた謎の人影…。事件はビルギッタを世界の反対側へ、さらに過去へと導く。北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルの集大成的大作。
著者等紹介
マンケル，ヘニング［マンケル，ヘニング］ ［Ｍａｎｋｅｌｌ，Ｈｅｎｎｉｎｇ］
１９４８年生まれ。作家、舞台監督、劇作家。“刑事ヴァランダーシリーズ”の第１巻『殺人者の顔』でガラスの鍵賞を、第５巻の『目くらましの道』でＣＷＡ賞のゴールドダガーを受賞、他に児童書やエッセイなども書く、人気実力ともに北欧ナンバーワンの作家である。夫人はスウェーデン映画の巨匠ベルイマンの娘エヴァで、現在スウェーデンとアフリカのモザンビークに半分ずつ居住している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
86
読んでいてこの題名がなぜという感じでした。スウェーデンの小さな村で最初に、八墓村のような皆殺し事件が起きて主人公が行動を開始します。一転してアメリカでの140年近く前の話でしかも中国人が出てきます。舞台は歴史をさかのぼったり、中国、アメリカが出てきたりと広いのですが、どうもあまり話の先が読めません。2015/07/09
白のヒメ
52
スェーデンの寒村で起きた村人全員に近い虐殺。どの人も山刀のようなものでめった切りにされていた。主人公の女性裁判官は事件を調べているうちに、その犠牲者の中に自分の親類がいる事を知り現場に向かう。何故親類は惨殺されたのか。・・・フィンランド、アメリカ、中国。そして１５０年の年月・・・。壮大な広がりを見せていく物語の流れは圧巻で、まさかこんな展開になるとはさっぱり思っていなかった。どの登場人物も重厚に背景が書き込まれていて、大河ドラマと呼ぶにふさわしい。どんな展開になるのか。下巻へ。2018/03/22
紅はこべ
52
第二部の19世紀のある中国人の人生の物語。これだけで一編の小説になっているな。「線路は続くよ、どこまでも」の歌が、実はアメリカ大陸横断鉄道の工事に従事した労働者達の労苦を歌った歌だという話を思い出した。このタイトルはケン・フォレットの『ペテルブルクから来た男』を連想させる。片や革命前夜のロシア、片や革命前と以後の中国という社会主義大国が絡んでいる。内容は全く違うけどね。2015/02/13
＊maru＊
50
スウェーデンの小さな村を襲った悲劇。なぜ犬や猫まで、なぜ老人ばかりの過疎の村で殺戮は起きたのか。裁判官のビルギッタ・ロスリンは母親が子供時代を過ごしたこの村を訪れたことで、事件の渦中に身を置くことになる。犠牲者名簿に載っていない少年と赤い絹のリボン。過去を記した日記や監視カメラの男。スウェーデン、中国、アメリカ、そして過去と現在。数々の謎が錯綜し、貧困や暴力の波に飲み込まれる上巻。面白いじゃないか！150年も前の出来事と今現在起きていることがどのように繋がっていくのか。ワクワクしながら下巻へ。2019/05/09
わたなべよしお
38
ヴァランダー・シリーズではなく単発モノです。元々、社会性、時代性の強い作品を書く人だったけど、今回は、やっぱり筆力もあるなぁと改めて感じました。小さな寒村での大惨劇が核ではありますが、１世紀以上前の中国人の半生記も読ませます。さて、これらを「下巻」でどうやってまとめていくのか。単純な恨み、復讐劇というわけではないはずと期待しています。2016/08/01
