ハリー・クバート事件〈下〉

ディケール，ジョエル【著】〈Ｄｉｃｋｅｒ，Ｊｏ¨ｅｌ〉/橘 明美【訳】

東京創元社（2014/07発売）

• サイズ B6判／ページ数 398p／高さ 19cm
• 商品コード 9784488010270
• NDC分類 953
• Cコード C0097

出版社内容情報

青年作家マーカスが独自の調査をもとに書き上げた『ハリー・クバート事件』はベストセラーとなったが……。次々に判明する新事実、終盤展開に読者は翻弄されるしかない！

内容説明

ハリー・クバートの代表作『悪の起源』は、３４歳のハリーと１５歳の少女ノラの愛を下敷きにしていた！少女殺しの嫌疑をかけられたハリーの無実を証明すべく青年作家マーカスは独自の調査をもとに『ハリー・クバート事件』を書き上げ、再びベストセラー作家となったが…。次々に判明する新事実、どんでん返しに次ぐどんでん返し…。全世界３２か国以上で翻訳出版され、眠れぬ夜を過ごす人々を続出させたスイス発のメガヒット・ミステリ。

著者等紹介

ディケール，ジョエル［ディケール，ジョエル］ ［Ｄｉｃｋｅｒ，Ｊｏ¨ｅｌ］
１９８５年ジュネーブ生まれ。ジュネーブ大学で法律を学ぶ。２００５年の短編で、ローザンヌの若い作家のための国際文学賞を受賞。２０１０年に第一長編で、ジュネーブ作家協会賞を受賞。２０１２年には『ハリー・クバート事件』で高校生が選ぶゴンクール賞、アカデミー・フランセーズ賞などを受賞

橘明美［タチバナアケミ］
仏語・英語翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ナイスネイチャ]

図書館本。単純に面白い。現実はこんなに警察は甘くないだろう？とは思いますが・・・。どんでん返しありきで読んでいたので邪推な読み方してました。残りページ数考えながらここは犯人じゃないなと。素直に読めない自分は嫌ですね～。

2015/05/16

[紅はこべ]

『ロリータ』『サイコ』ドラマの『コールドケース』など、様々の過去作品が読んでいるうちに浮かび上がって来る。最後までわからなかったのは、ハリーがマーカスのどこに才能を見出したのかってことだけど。何故31章で構成されているのか、ラストでやっとわかった。アメリカでは大統領選絡みの本って売れるのね。今日本で総選挙関係の本が売れてるとは聞かないが。粗削りは否めないが、特にメタ好きにはお勧めだ。

2014/12/13

[とろこ]

下巻も面白かった。事件の背後にあったもの。それは、多くの人の、絡まり合った想い。道ならぬ恋とみなされた純愛。不器用であるが故にすれ違った恋。立場を守ろとした人々のエゴ…。恩師で友であるハリー・クバートの無実を信じ、捜査に乗り出したマーカスだったが…。彼は、ハリーの代表作に隠されていた真実を突き止めてしまった。コメディ要素あり、二転三転するスリリングさあり、切なさありで、純粋に楽しめた。

2018/05/22

[星落秋風五丈原]

作品は入れ子構造になっていて、小説の文章、マーカスの一人称、それぞれのインタビュー内容が入り乱れる。区切りはあるが章で分かれているわけではないため、次第に話者が曖昧になってきて、視点を定めて読みたい人はイライラするかも。例えば、行方不明になったノラがある人物と会話する場面があるが、現代では二人ともこの世の人ではない。それなのに彼等の会話が書きとめられているのは摩訶不思議と言うほかはない。後半でどんでん返しを連続技で決めているが、やたらとオーロラの人達が今まで黙ってきた秘密を喋る。あなたたち喋りすぎ。

2014/09/10

[papako]

先が気になり一気読み！用意された答えに誘導されるように物語はすすむ。無事に本が完成するが、違和感が。そして新事実が次々に出てくる出てくる。いやいや、真犯人たち、そんなに冷静でいられるのか？そこ、まず最初に調べるだろう！等々思うところもあるけれど、ノラの真実、ハリーの秘密、事件の真相が複雑に絡まって、面白かった。確かに冗長なところもあると思いますが、私は楽しめました。『平凡な日常に隠された人間の浅ましさ』まったくその通り！登場人物たちの浅はかさが痛い。

2015/07/19