内容説明
1970年代、写真家たち自らの手によって、ギャラリー、スペース、あるいは雑誌といった、様々な自主メディアが生み出されていった。彼らがそこで試みた多くの写真論、写真表現法、製作態度など、その作品と思考の軌跡は、写真とは何であるのか、写真家とはどのような存在であるのかを示した。本書は、これまで明らかにされることのなかった、これらの活動の概要と、当時の資料を収録し、空白のまま残されてきた1970年代の日本写真の姿を伝えるものである。
目次
序 日本現代写真の前風景
シリアスな写真ギャラリー
百花撩乱
ワークショップの嵐
フリー・スペースからの出発
グラフ誌の冒険
ミニマムな写真空間
シリアス・フォトの発芽
抜け道を失った写真論
ニュー・モダニズムの旗手
写真作家への幻想
理解されなかった写真展
グローバルな感性を志向したフォト・マガジン〔ほか〕