ちくま文庫
英国セント・キルダ島で知った何も持たない生き方

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480430953
  • NDC分類 293.32
  • Cコード C0195

出版社内容情報

イギリス通の著者が偶然知った世界遺産の島セント・キルダでの暮らしと社会を日本で初めて紹介。実在した島民の目を通じてその魅力を語る。

内容説明

大西洋上に浮かぶ周囲から隔絶された島、英国セント・キルダ群島。法律も、医療も、学校も、十分な食料もない絶海の孤島で暮らしていた36人の島民の生活と社会を、実在した一人の長老の目を通じて語る。何も持たない人々の知恵と葛藤。訪れる人が後を絶たない世界遺産の島、セント・キルダの歴史と魅力を、イギリス通の著者が日本で初めて紹介した本。巻末に最新の資料を付した。

目次

はるかなる足音
今日することを皆で決める習慣
牛と暮らす石積みの家にこだわる
地代を払っても住み続ける島
鳥猟と七人の強いロープの絆
伝説と信仰が支える生き方
イギリスで最も質素で平和な暮らしの手本
教会がすすめた生活改革の功罪
学校教育がもたらした皮肉な結末
海だけが配達できる孤島からの手紙
イギリス本土から押し寄せる観光客が見たかったもの
誰も止められない村の衰退
三六人が受け入れた最後の決断
本土移住の日
何が一番幸せだったか
魂が還っていく島へ

著者等紹介

井形慶子[イガタケイコ]
1959年長崎県生まれ。作家。出版社勤務後、外国人向け情報誌を創刊。28歳で出版社を興し、英国生活情報誌「ミスター・パートナー」を発刊。同誌編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

37
2003年初出。イギリス本土から遮断された絶海の孤島、セント・キルダで人々が生きぬくためには村を支えている若い人手が常に必要だった(35頁)。今日することを皆で決めるセント・キルダ議会(40頁)ってすごいね。その日暮らしでも民主主義なんだな。キルダのような原始社会の人々は、生きていくためにしなければいけないことにしたがった(216頁)。1930年5月10日、島に残った労働可能な島民全員が、離島への援助を嘆願した(230頁)。2016/06/17

はなよ

7
図書館から。イギリスに行ってみたくなると同時に、今の生き方でいいのか?と疑問を抱くようになった。善意の押しつけほど厄介なものはない。原始的な生活に戻るのは無理だとしても、せめてモラルだけは失わないようにしたい。2017/12/03

さく

4
“何も持たない生き方”を褒めまくる本と思って読んだら、島の外の文化の介入により生活が壊れていった話だった。物や情報に振り回されない生き方は穏やかだが、一方で過酷を強いられる。例えば、医療・食料の不足は生死に直結する。それでも島の生き方を尊重すべきだったのではないかという論調だが、何が幸せか、というのは本当に難しい。2014/11/05

ややいやこ

3
限界集落の移住物語と私はとらえました。 震災で故郷を追われた人々の姿と一部重ね合わせてしまいました。 また、日本中にある限界集落の現状とも重なります。 故郷のある人は強いなって思います。そしてその故郷が健在であるというのは、大切な事なんですね。 我が集落も過疎化が進んでいます。他人事とは思えない話でした。2013/10/15

macky

2
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎2022/09/17

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