内容説明
裏切りの愛と幸せな狂気。恋愛天文学(子夜)、前の妻・今の妻(吉野秀雄)、予審調書(阿部定)など24篇を収録。
目次
紅りんご(サッフォー)
恋愛天文学(子夜)
媚薬(J.ベディエ)
シラノ週報の場(ロスタン)
コハル(モラエス)
前の妻・今の妻(吉野秀雄)
日記(宅嶋徳光)
宝石の声なる人に(岡倉天心;プリヤンバダ)
エロイーズよりアベラールへの願い(エロイーズ)
わが沈黙の共謀者よ!(キルケゴール)
セックス対愛らしさ(D・H・ロレンス)
恋愛(P・レオトー)
予審調書(阿部定)
恋(正岡子規)
プラクリチ(幸田露伴)
鯉魚(岡本かの子)
じいさんばあさん(森鴎外)
好色(芥川龍之介)
三色の娘(レチフ・ド・ラブルトンヌ)
恋愛について(スティブソン)
「いき」の内法的構造(九鬼周造)
『葉隠』と『わだつみ』(橋川文三)
ドン・ジュアン/女房学校(アラン)
ソークラテースの話(プラトン)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
棕櫚木庵
26
「ちくま 哲 学 の森」の一冊だけど,岡本かの子の「鯉魚」から九鬼『「いき」の構造』抜粋,さらには阿部定の「予審調書」まで,様々な形式・内容の文集.「面会時間」と題した井上ひさしの解説も一篇の小説のよう.▼小説寄りの作品では岡本「鯉魚」,評論寄りでは,「『葉隠』と『わだつみ』」(橋川文三)が面白かった.後者に言う.日本には,恋愛の情緒的表現に優れたものはあるが,恋愛の哲学はない.その例外が『葉隠』だと.正岡子規の「恋」は,ド真ん中の直球でマイッタ,マイッタ.ま,こういうの好きなんですけどね(^^;).→2022/03/26
双海(ふたみ)
20
裏切りの愛と幸せな狂気・・・。サッフォー、子夜、モラエス、岡倉天心、エロイーズ、キルケゴール、D・H・ロレンス、阿部定、正岡子規、幸田露伴、岡本かの子、森鴎外、芥川龍之介、レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ、九鬼周造、アラン、プラトン、橋川文三などなど。2014/05/30
トレイルかめ
1
壮絶な阿部定の恋の哲学2014/08/14
石ころ
0
まさかの阿部定。コハルが好き。2016/01/13
meg
0
美しいと言いたい。 モラエスのコハルが良かった。 新たに知れた作家もうれしい。2023/03/18