ちくま新書<br> 汚染水との闘い―福島第一原発・危機の深層

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ちくま新書
汚染水との闘い―福島第一原発・危機の深層

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480067913
  • NDC分類 539.68
  • Cコード C0253

内容説明

福島第一原発事故の汚染水問題は、高濃度汚染水の漏出が起こるなど、事故発生直後から始まっていたが、抜本的な対策は先送りされ、後手後手の応急対策を重ねるうちに、事態は深刻化してしまった。いったい、どのような対策が講じられ、どのような点が障壁となっているのか。福島原発事故の官邸助言チームの事務局長として最前線での対応に当たった著者が、第一線にいたエンジニアでなければ知り得ない経緯と現状を明かし、今後の課題を展望する。

目次

第1章 東京オリンピックと汚染水(安倍総理発言;厄介な汚染水;汚染水問題)
第2章 緊急対策から抜本対策へ(東京電力と政府の取り組み;先行き不透明な汚染水処理;先送りされた対策―東京電力と政府の綱引き)
第3章 低レベル汚染水の海洋放出(汚染水の予言;高レベル汚染水と低レベル汚染水;人為的な海洋放出は悪いことだったのか)
第4章 水産物への影響(福島県の水産物の状況;水産物の安全性確保;海洋と湖沼・河川の汚染レベル;水産物の安全性)
第5章 困難を乗り越えて(現場作業員の長期の安定確保;現場技術力の蓄積と継承を;「食の安全」を守るために)

著者等紹介

空本誠喜[ソラモトセイキ]
1964年3月11日生まれ。前衆議院議員。福島第一原子力発電所事故「官邸助言チーム」事務局長。東京大学大学院工学系研究科原子力工学専攻。工学博士。応用物理学会の放射線賞(奨励賞)受賞。東芝の原子力エンジニアを経て、政界入り。福島原発事故に際して、恩師だった東大の小佐古敏荘教授(原子力工学)を内閣官房参与に推薦。自らも事故対応の最前線で活動した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きみたけ

64
改めて福島原発事故における汚染水問題について考える一助として読みました。著者は前衆議院議員で福島第一原発事故「官邸助言チーム」事務局長だった空本誠喜氏。福島原発事故に際して、恩師だった東大の小佐古原子力工学教授を内閣官房参与に推薦、自らも事故対応の最前線で活躍した。この本は事故発生直後に立ち上げられた「官邸助言チーム」の活動記録をもとに、報道機関が注目している「汚染水」に焦点を絞って記した一冊。複雑で分かりづらい汚染水対策について整理して福島の風評被害を払拭するのがネライです。2023/09/04

壱萬弐仟縁

25
全体像が摑めないこと(018頁)が野田元総理の収束宣言の胡散臭さ、虚偽を疑わざるを得ないのが実態ではないか。著者は正しい認識として、汚染水はイチエフ周辺に限定されるも、建屋封じ込め機能が壊れ、地下水問題も浮上。複雑な難題という(024頁)。昨年10月時点でも、汚染水は地下に9万立法メートル滞留(028頁)と、予断を許さない状況。問題の本質は、汚染水の長期処理・保管。人材、技術、資金をどう維持するか(053頁)。水産物や海底土壌から放射性物質が検出されており、監視していかねばならない(061頁)。    2014/09/18

coolflat

6
著者は官邸とは別に創設された『影の助言チーム』の中心メンバー。因みにメンバーには20mSv問題の小佐古氏もいる。ところで本書に目新しいものはない。既知の情報ばかりだ。ただ汚染水装置の概要や汚染水問題の事故当時からの情報がまとまっているのでそれなりに価値はある。本書で気になったのは、影の助言チームが、暫定的な250mSvではすぐに上限まで達し作業員不足になるという理由で、放射線量を国際基準の500mSvにすべきと訴えていたという件。理由は分からなくはない。だが20mSv問題の時の人道的な対応とは雲泥の差だ。2014/10/16

Hyos(元jpn1024)

5
福島第一原発事故の官邸助言チームの活動をもとに汚染水について記述した本. どのようにして汚染水問題が深刻化して,それらに対してどのような対策を施したのかが,用いられた各種のプランや装置の詳細とともに記されている. 汚染水問題の主たる放射性物質がセシウム137,ストロンチウム90,トリチウムであることと,それらの化学的性質を確認することができた. 汚染水処理のための機械や技術協力を申し出る仏国やイスラエルを,ビジネスチャンスやデータ蓄積のために近寄ってくるハイエナの匂いがするという著者の洞察は面白い.2017/11/14

乱読家 護る会支持!

4
なーんだか、官僚か学者が書いたような文書で、著者(元 代議士)の思いが伝わらない。現象、事実、明らかになっている問題点を書いてあるだけで、本当の問題が見えてこない。民主党の元議員、東芝の元社員だもんね。思いが感じられないから、頭に入ってこない。だから、パラパラ読み。勉強するなら、別の本の方がいいんじゃね?2014/10/09

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